登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1), (2), (4), (6) |
登録年 | 1996年 |
弥山(みせん)は「厳島神社」の構成資産の一つ。厳島神社の裏側に広がっていて、ここは古墳時代から聖域として信仰されてきました。ところで、弥山はなぜ世界遺産なのでしょうか?意外と知ってそうで知らない!
ここでは弥山がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、弥山について詳しくなること間違いなし!
弥山とは?
厳島神社の裏側にある標高535mの山。古くから神域として崇められていて、山中には祭祀遺物も発見され、古墳時代から山岳信仰があったとされています。ここは806年に空海(弘法大師)が密教の霊場としたということでも有名。「弥山」という名前の由来は、古代インドや仏教の世界観でも中心にあるという須弥山(スメール山)から由来するという説もあります。
山嶺は1957年には特別保護区に登録され、世界遺産「厳島神社」の登録範囲の一部にもなっています。
大聖院霊火堂
頂上付近の大聖院霊火堂には弘法大師が修行した時に焚かれた護摩の火が1200年以上も燃え続けていると伝えられています。これは「消えずの零火(れいか)」と呼ばれるもの。
弥山はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
弥山が評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
厳島神社は貴族の居住空間を神社建築に応用したもので、さらに自然と人工の建築物を組合わせた傑作であるという点。
登録基準(ii)
自然を崇拝する厳島神社の建築様式は、日本人の宗教観を示し、日本の景観美を理解できるものであるということ。
登録基準(iv)
厳島神社は、12世紀後半〜13世紀初頭の建築様式をそのまま保存しており、周囲の風景を組み合わせた神社建築の優れた例であるという点。
登録基準(vi)
日本人の宗教観は、さまざまな神を崇拝するというもので、神道以外にも仏教施設などが存在する厳島はこれを代表するものであるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
弥山は宮島の中央部にあるだけに、古くから聖域として信仰され、日本独自の宗教観が見られる場所として評価されています。
ちなみに、奈良の春日大社のように宮島には、鹿が住んでいますが、島には神鹿の伝説はありません。ただ宮島そのものが神の島とされているために、島の鹿も同様に「神の使い」として大事にされてきた様子。しかし、昨今は観光客によって餌を多く与えられるため、成長が遅く、身体も小型化する傾向にあり、現在は鹿せんべいなども販売されていません。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。