登録区分(暫定リストに記載) | 文化遺産 |
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登録基準(暫定リストに記載) | (2),(3),(4),(5),(6) |
申請年(暫定リストに記載) | 2007年 |
中尾山古墳(なかおやまこふん)は「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」の構成遺産の一つ。八角墳であることから天皇陵である考えられていて、内部の石室では当時の技術力が垣間見えるという点で貴重なもの。ところで、中尾山古墳はなぜ世界遺産候補なのでしょうか?
ここでは中尾山古墳がなぜ世界遺産候補なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、中尾山古墳について詳しくなること間違なし!
中尾山古墳とは?
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奈良県明日香村にある古墳。丘の上にあり、対辺長約19.5m、高さ4mといった三段構造の八角墳であり、比較的小さな古墳です。とはいえ、八角墳は天皇陵であることが多く、ここは江戸時代には文武天皇(683〜707年)の陵であるという報告もあったほど。
内部は横口式石槨(よこぐちしきせっかく)となっていて、石槨は丁寧に磨かれていて、中央部には火葬した蔵骨器を安置する台があったとされています。しかし、鎌倉時代には既に盗掘にあっていて、骨壷だけでなく、副葬品なども見つかっていません。昔から調査がされていますが、1974年の調査で八角墳ということも分かり、文武天皇の陵の可能性が高まっているものの、宮内庁としては、1881年から近くにある栗原塚穴古墳が文武天皇陵に治定されていて、今でもそれは変わっていません。
中尾山古墳はどんな理由で世界遺産に登録される予定なの?
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日本政府が提出したの暫定リストに記載されている登録基準としては、以下の点。
※これらは2007年に暫定リストに記載された、日本における基準です。
登録基準(ii)
文化の交流を示すもの
登録基準(iii)
現存or消滅した文明の証拠
登録基準(iv)
人類の歴史を象徴する建築物の代表的な段階や景観の見本
登録基準(v)
伝統的集落や人類と環境の交流の見本
登録基準(vi)
人類史上に残る出来事や現存する伝統、思想、信仰、芸術
世界遺産マニアの結論と感想
中尾山古墳の被葬者は特定されていませんが、横口式石槨の保存状態も良好で、古墳時代でも晩期の古墳の様子が見られるという点で貴重なもの。
ちなみに、中世では盗掘に遭ったためか、江戸時代初期には文武天皇陵を近くの高松塚古墳や天武天皇・持統天皇合葬陵である野口王墓古墳とする説もあり、当時からはっきりしないところ。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。