大阪府の世界遺産「岡ミサンザイ古墳（仲哀天皇陵）」とは？世界遺産マニアが解説

岡ミサンザイ古墳（仲哀天皇陵）は「百舌鳥・古市古墳群-古代日本の墳墓群-」の構成資産の一つ。ここは第14代の仲哀天皇の陵墓とされていますが、現状では埋葬者は不明。ところで、岡ミサンザイ古墳はなぜ世界遺産なのでしょうか？意外と知ってそうで知らない！

ここでは岡ミサンザイ古墳がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、岡ミサンザイ古墳について詳しくなること間違いなし！

岡ミサンザイ古墳（仲哀天皇陵）とは？

岡ミサンザイ古墳は大阪府藤井寺市にある古市古墳群の一つ。古市古墳群でも西側に位置する巨大な前方後円墳で、墳丘長245m、高さ20m。「ミサンザイ」とは、貴人の墓を意味する「みささぎ（陵）」から転化したものだと考えられています。発掘はされていないので、埋葬者は不明ではありますが、江戸時代から第14代の仲哀天皇の陵墓と治定されたため、現在でも宮内庁としてはその説を採用。

ここは出土した埴輪から5世紀末に建造されたものであると推定。葺石（ふきいし）の構造が見られないことから他の古墳とはまた異なる様式の古墳でもあります。現在では仲哀天皇は実在性の低い天皇のとされているため、少し時代が下り、第21代の雄略（ゆうりゃく）天皇の陵墓であるという説も。

岡ミサンザイ古墳（仲哀天皇陵）はどんな理由で世界遺産に登録されているの？

岡ミサンザイ古墳が評価されたのが、以下の点。

登録基準（iii）
百舌鳥・古市古墳群は、日本全国にある16万もの古墳の中でも、古墳時代を代表するもので、この時代の社会構造や階級、高度な葬送文化を示すものであるという点。

登録基準（iv）
百舌鳥・古市古墳群は、古代の東アジアにおいても優れた陵墓で、埴輪や葺石（ふきいし）で覆われた墳丘は階層社会の確立を示しているということ。

世界遺産マニアの結論と感想

岡ミサンザイ古墳は、古市古墳群の中でも3番目の大きさを誇る古墳であり、仲哀天皇陵とされるものの、今でも謎が多いのが特徴。しかし、周囲から発見された副葬品などからは古墳が築かれた時代の日本の社会や葬送の文化がよく分かるという点で評価されています。

ちなみに、雄略天皇は実在がほぼ確定している最初の天皇であり、大王を中心とする中央集権の体制を築いたことでも知られます。しかし、彼は『古事記』によると124歳で亡くなったらしく、現在の世界最高齢が122歳であるから、その記録を越える人物が既に古墳時代にいたということになりますね…。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。