登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1),(2),(3),(4) |
登録年 | 1985年 |
スルタンアフメト・モスク(ブルー・モスク)は「イスタンブール歴史地域」の構成資産の一つ。ここは「ブルー・モスク」と呼ばれることが多いだけに内部には青いタイルが多く使用され、その優美な外観は世界中のモスクの中でもトップクラスの美しさを誇ります。ところで、スルタンアフメト・モスクはなぜ世界遺産なのでしょうか?
ここではスルタンアフメト・モスクがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、スルタンアフメト・モスクについて詳しくなること間違いなし!
スルタンアフメト・モスク(ブルー・モスク)とは?
イスタンブール旧市街にあるスルタンアフメト広場の南側に位置するモスク。ここは直径27.5mの大きなドームを持ち、高さ64mの華麗なミナレットが6本も並ぶことから「世界で最も美しいモスク」とも呼ばれます。
17世紀にオスマン帝国のスルタン・アフメト1世(1590〜1617年)により1609年に建設されたモスクで、彼は信仰心が深い人物であったとされています。設計はアルバニア生まれのキリスト教徒のマフムト・アー(1540?〜1617年)で、彼は帝国の偉大なる建築家ミマール・スィナンの弟子でした。外観は全く青くないのですが、内装にはイズニック製の青いタイルを数万枚使用したことから「ブルー・モスク」と呼ばれるようになり、こちらの名前のほうが広く知られています。ステンドグラスによる光が広大な空間に差し込む内観は幻想的。
スルタンアフメト・モスク(ブルー・モスク)はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
スルタンアフメト・モスクが評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
アヤ・ソフィアやスレイマニエ・モスクなど、ビザンツ帝国やオスマン帝国時代の傑作が多く残るという点。
登録基準(ii)
テオドシウスの城壁は軍事建築、アヤソフィアは大聖堂の建築様式やモスクのモデルとなったりと、ヨーロッパと中東各国の芸術や建築様式に影響を与えたということ。
登録基準(iii)
イスタンブールの旧市街に残る建築物はビザンツ帝国とオスマン帝国時代にここが繁栄していた様子がよく分かり、特にスレイマニエ・モスクやゼイレク・モスク周辺の伝統的住宅はオスマン帝国後期の都市設計などが見られるという点。
登録基準(iv)
各時代の建築物が残るイスタンブールは街全体が建築史そのものであるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
スルタンアフメト・モスクは、アヤソフィアの構造とミマール・スィナンの建築技法などが合わさった、オスマン帝国の中でも傑作と呼ぶべき美しい建築物であるという点で評価されています。
ちなみに「ブルーモスク」というと、イスタンブールのものが最も有名ではあるものの、マレーシアにある「スルタン・サラディン・アブドゥル・アジズ・モスク」も1988年に完成したものですが、外面に青いタイルや装飾が使用されているから、ブルーモスクと呼ばれます。どちらも「あだ名」ですが、なぜか被ってしまっているという…。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。