フランスの世界遺産「サヴォア邸と庭師小屋」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(1),(2),(6)
登録年2016年

サヴォア邸と庭師小屋は「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-」の構成資産の一つ。パリ郊外にある近代的な住宅の傑作で、近代建築の三大巨匠の一人、ル・コルビュジエの代表作でもあります。ところで、サヴォア邸はなぜ世界遺産なのでしょうか?

ここではサヴォア邸がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、サヴォア邸について詳しくなること間違いなし!

目次

サヴォア邸と庭師小屋とは?

サヴォア邸
画像素材:AdobeStock

パリ郊外にあるポワシーで築かれた邸宅。ここは1928〜1931年にかけて建てられ、ピエール・サヴォア夫妻によって依頼されたため「サヴォア邸」と名付けられています。ここは近代建築の五原則がすべて集まった彼の傑作。1階の柱は細く、梁は存在しないというのが特徴です。そして、ピロティが採用されているため、まるで空に浮かんでいるよう。

2階が住居となっており、ここには水平連続窓が見られ、3階は屋上庭園といった構造。外見からは分かりませんが、外から見えないようになっていて、プライバシーも確保されています。建築素材は当時としては新しい鉄筋コンクリートが採用。

庭師小屋は同じ敷地内に建造され、庭師向けの小さな住宅となっています。サヴォワ邸が富者のための建造物であるのに対し、庭師小屋は貧者のための建造物ということもあり、彼の建築はすべての人々のものであるということを示すもの。

サヴォア邸と庭師小屋はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

サヴォア邸
画像素材:AdobeStock

サヴォア邸が評価されたのが、以下の点。

登録基準(i)
ル・コルビュジエの建築作品は、人類の想像的才能を示す傑作であり、20世紀の建築や社会における課題を解決するものであったということ。

登録基準(ii)
ル・コルビュジエの建築作品は、近代建築の誕生と発展に深く関係し、半世紀以上に渡って、4つの大陸の建築に前例のない影響を与えていて、世界規模での人間の価値交換を示すものであるという点。

登録基準(vi)
ル・コルビュジエの建築作品は、「近代建築」に直接関連していて、20世紀にその理念と作品が重要性を持ち、これらは建築や絵画、彫刻などと融合を示し、半世紀に渡って世界で広まった「新しい建築様式」を表したものであったということ。

世界遺産マニアの結論と感想

サヴォア邸はル・コルビュジエの代表作であり、近代建築の五原則が実現された住宅で、世界中の邸宅の設計に大きな影響を与えているという点で評価されています。

ちなみに、サヴォア邸が発表された当時、建築業界ではあまりにもセンセーショナルでした。よって、似たようなデザインの建造物が多く築かれ、オーストラリアにあるキャンベラにある「オーストラリア先住民・トレス海峡諸島民研究研究所」は、レプリカではあるのですが、なぜか外観が黒色になっていて「黒いサヴォア邸」と呼ばれるほど。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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