和歌山県の世界遺産「湯の峰温泉・つぼ湯」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(2), (3), (4), (6)
登録年2004年

湯の峰温泉(ゆのみねおんせん)・つぼ湯は「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成遺産の一つ。ここは和歌山県を横断する参詣道・中辺路にある温泉地として、2004年に「温泉」としては初の世界遺産となりました。ところで、湯の峰温泉・つぼ湯はなぜ世界遺産なのでしょうか?

ここでは湯の峰温泉・つぼ湯がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、湯の峰温泉について詳しくなること間違なし!

目次

湯の峰温泉・つぼ湯とは?

湯の峰温泉・つぼ湯
画像素材:写真AC

奈良県南部との県境近くにある、和歌山県田辺市本宮町にある湯の峰温泉。ここは4世紀にはすでに発見されていたという、日本でも最古級の温泉地として知られ、古くから熊野詣の旅人たちが立ち寄る場所でもありました。特に和歌山県内を横断する古道である熊野古道・中辺路(なかへち)沿いにあり、熊野三山の一つ、熊野本宮大社からは約3.5kmほどの距離のため、平安時代は京都から皇族も訪れていたほど。

温泉の中心地には天台院の寺院・東光寺(とうこうじ)があり、伝承によれば、源泉の周囲に湯の花があり、それが薬師如来の形となった後、その胸から温泉が湧き出たことから「湯の胸」となり、それが「湯の峰温泉」という名のルーツとなったとされています。

つぼ湯は公衆浴場となっていて、天然岩で作られた小さな浴槽で、一度に2〜3人が入るといっぱいになるほど。湯は日によって湯の色が7回も変わるとも言われており、その不思議な変化が訪れる人々を魅了しています。ちなみに、30分交代制なので混み合う際は順番待ちなので注意。

湯の峰温泉・つぼ湯はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

湯の峰温泉
画像素材:写真AC

湯の峰温泉が評価されたのが、以下の点。

登録基準(ii)
紀伊山地に残る霊場と参詣道は、神道と仏教が融合が見られ、東アジアにおける宗教文化の交流と発展を示すということ。

登録基準(iii)
紀伊山地に点在する神社や寺院は、この地の慣習を含めて、1000年以上に渡る日本独自の宗教の発展を示すものであるという点。

登録基準(iv)
紀伊山地は、日本各地の寺社の建築様式に大きな影響を与え、それらの形成のルーツともなっているという点。

登録基準(vi)
紀伊山地の霊場と森林には、1200年に渡って神の宿る地として信仰が維持され、それらが景観に見られるということ。

世界遺産マニアの結論と感想

湯の峰温泉・つぼ湯は、熊野古道の一つ、中辺路のルート上にあることから世界遺産として登録され、古くからの信仰が見られ、参詣道を含む、日本独自の宗教の発展が確認できるという点で評価されています。

ちなみに、よく観光パンフレットなどで「世界初の温泉の世界遺産」とありますが、2021年には「ヨーロッパの大温泉保養都市群」が登録されているため、一応世界初であるものの、現在は「世界遺産に登録された温泉地」は世界で割とあります。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1200以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定マイスター認定済。

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