レバノンは地中海に面していて、宗教と民族においては非常に多様性のある国。古来より地中海の交易で繁栄したフェニキア人の本拠地でもありました。世界遺産にも歴史を感じさせる遺産が多いですが、レバノンの世界遺産はいくつあるでしょうか?
ここでは、レバノンの世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
アンジャル
首都ベイルートから東へ約50kmの距離にあり、ベカー高原に残る遺跡。ここは現在のシリアの首都であり、かつてのウマイヤ朝(661〜750年)の首都であったダマスカスを結ぶルートにある中継地で、1940年代に発見されたもの。アンジャルは8世紀に第6代カリフのアル・ワリード1世(674〜715年)の命によって建造されたとされ、ローマ帝国やビザンツ帝国時代の遺構を再利用したもの。
ここはレバノンで唯一残るウマイヤ朝時代の遺跡であり、現在の遺跡は、それ以前のビザンツ帝国時代に築かれた王宮の一部が復元されています。
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バールベック
首都ベイルートから東へ約80km。バールベックは、標高約1150mのベッカー高原の中央部に築かれ、数々の神殿が並ぶ、ローマ時代でも有名な聖域の一つ。ここは紀元前2000年から人々が住んでいたとされ、レバノンを中心に通商で栄えたフェニキア人の都市が築かれました。バールベックは「ベッカー高原の主神」という意味で、交易で栄えたものの、紀元前1世紀にローマ帝国によって征服されます。
ここはローマ時代に天空神ユピテル(ジュピター)などの神々が崇拝されていた聖域であり、巡礼者が多く集まる地でもありました。遺跡内には美しいローマ建築がいくつか残ります。
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ビブロス
レバノン中部の港町であるビブロスは、新石器時代から人が住んでいて、7000年にも渡る歴史を誇ります。ここは新石器時代から人が住んでいた跡が残り、地中海東岸で交易を行っていたフェニキア人発祥の地として有名。紀元前3000年ころの神殿も発見されており、かつてはさまざまな民族が訪れた港町でした。
ここは、パピルスを輸入していたことからギリシャ人がそれをバイブルと呼び、「聖書(バイブル)」の語源となったことで有名。
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ティルス(スール)
首都ベイルートから南に83kmの位置にあるティルスは、かつてカルタゴ(現在のチュニジア)などの有力な植民都市を地中海各地に築くほどに繁栄した都市でした。紀元前2750年前に設立されたとされ、世界でも長い歴史を持つ都市の一つ。
しかし、十字軍時代の終わりには衰退。現在のティルスはスールという小さな漁村になっており、ローマ時代の遺跡が残っています。
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カディーシャ渓谷と神の杉の森
レバノンを南北に貫くレバノン山脈。最高峰のコルネ・エル・サウダ山(標高3088m)の西側に広がるのが「カディーシャ渓谷」。ここは「聖なる谷」と呼ばれ、世界でも最初期のキリスト教の修道院共同体の一つ。
この地は起伏が多く、かつては建築素材や船材に使用されたレバノン杉で覆われていた場所。しかし、現在のレバノン杉は国内でも1200本しか残っておらず、「神の杉の森」はそんなレバノン杉の数少ない群生地として貴重です。
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トリポリのラシッド・カラミ国際見本市
トリポリはレバノンでも第二の都市で、東地中海に面し、古くから港町として栄えてきました。町の中心部にある旧市街から港の間には、1962年にブラジル人建築家のオスカー・ニーマイヤーによって設計された国際見本市があります。
ブーメランのような形をした屋根などは個性溢れるデザインで、これらは建築技術の大陸間交流が見られるという、中近東の20世紀建築作品の一つ。
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世界遺産マニアの結論と感想
レバノンは地中海とアラビア半島の交差点にあるだけあって、古来から多くの民族が暮らした場所であることから、6つもの文化遺産が残っています。ほとんどが遺跡ですが、古代史によく登場するフェニキア人の遺跡が多く、ロマンを感じさせる遺産がいっぱい!
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。