登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (3), (4), (5) |
登録年 | 2018年 |
アラビア半島東部に広がるアハサー・オアシスは、250万本のナツメヤシが広がる世界でも最大級のオアシス。庭園、運河、泉、井戸、灌漑用の湖、モスク、要塞など、ここは新石器時代から現在まで定住の足跡が残り、砂漠環境の中でも人々が暮らしてきたという文化景観が見られるもの。
ここではアハサー・オアシス、進化する文化的景観がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、アハサー・オアシスについて詳しくなること間違いなし!
アハサー・オアシス、進化する文化的景観とは?
サウジアラビア東部州の町ブフーフの周囲に広がるオアシスは、西はダハナー砂漠、南はルブウアルハーリー砂漠、東は海に囲まれた地。ここは250万本ものナツメヤシを持つ、世界最大級のオアシスであります。オアシスには都市の遺構や考古学遺跡などが残り、新石器時代から現代までアラビア半島で人々が定住してきたという証拠を残すもの。
アハサーは古くから隊商交易路として繁栄し、10世紀になるとシーア派の一派であるカルマト派と呼ばれる勢力の一大拠点となり、アラビア半島の東部と中央部を支配し、やがて最大聖地であるメッカを占拠するほどでした。オアシス内には庭園、泉、井戸、灌漑用の湖、歴史的建造物など、12もの構成資産が含まれ、何千年にも渡って有機的に進化し続ける文化的景観が見られます。
アハサー・オアシス、進化する文化的景観はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
アハサー・オアシスが評価されたのが、以下の点。
登録基準(iii)
アハサー・オアシスの伝統的農業は、有機的に進化した文化景観として見られ、これらは運河を利用したネットワークによる水の配分に基づいていて、その土地利用は現在でも見られるという点。
登録基準(iv)
アハサー・オアシスの文化的景観は、山々や庭園、洞窟、村、モスク、泉などで構成され、考古学的遺跡や歴史的建造物も見られます。村や要塞、モスク、スーク、住宅の跡など、初期イスラム時代から現在のサウジアラビア王国に至るまで、建築史のように現在でも保存されているということ。
登録基準(v)
アハサー・オアシスは、砂漠環境で発展した人類における定住の成功した例で、地下水脈はオアシスの発展を可能にし、水は地表から湧き出て、今でも井戸を利用しながら伝統的な農業がこの地で見られるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
アハサー・オアシスでは、新石器時代から人が砂漠環境に合わせて地下水を活用しながら今でも暮らし続けていて、敷地内には考古学遺跡や歴史的建造物が残り、今でも庭園や運河、泉、井戸、灌漑用の湖なども合わさって文化的景観となっているという点で評価されています。
ちなみに、オアシスを一望するのなら、オアシスに浮かぶように位置する「カラ山」が一番で、ここにはトルコのカッパドキアのようなキノコ岩もあります。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。