登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1),(2),(4) |
登録年 | 1979年 |
フランス北西部・シャルトルにある大聖堂は、12〜13世紀に再建されたもの。ここは保存状態の良いステンドグラスがあることで知られ、扉口の壮麗な彫刻はフランス・ゴシック建築の最高峰として有名です。
ここでは、シャルトル大聖堂がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、シャルトル大聖堂について詳しくなること間違いなし!
シャルトル大聖堂とは?ステンドグラスは古いもの?
シャルトルはフランスの北西部にある都市で、ウール=エ=ロワール県の県庁所在地。ここは古来より聖地として崇拝されていて、既に4世紀には教会が建造されていたとされています。9世紀にはカール大帝の孫であるシャルル2世が、聖母マリアが身につけていたという「聖母の衣(サンクタ・カミシア)」を教会に寄進すると、巡礼者が多く訪れるようになりました。これは現在でも保管しています。
11世紀に最初に大聖堂が建てられましたが、火災に遭い、12世紀に再建され、現在のゴシック様式の大聖堂が築かれました。
旧塔と新塔
西正面に位置する2つの塔は、シャルトル大聖堂のシンボル的存在。南側がロマネスク様式の旧塔で高さは106m。12世紀に建造されたものでシンプルなデザイン。北側の新塔は、16世紀の後期ゴシック様式で造られたもので、高さは113m。
ステンドグラス&バラ窓
12〜13世紀に建造されたもので、非常に保存状態が良いことで知られます。テーマは聖書や聖人をモチーフしていますが、特にゆかりの地である聖母マリアをテーマにしたものが多く、『美しき絵ガラスの聖母』などが有名。そして、北側のファサードには美しいバラ窓もあり、これは直径9mもの大型のもの。
王の扉口
12世紀に建造された西正面の3つの扉口は「王の扉口」と呼ばれていて、主に聖書の登場人物が彫刻のモチーフになっています。天使に囲まれた『栄光のキリスト』などを中心に、聖母マリアや聖人、十二使徒、動物などが刻まれていて、フランスのゴシック建築の最高峰として知られるもの。
シャルトル大聖堂はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
シャルトル大聖堂が評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
シャルトル大聖堂は、建築技術はもちろん、彫刻やステンドグラスなど、中世ヨーロッパの芸術の中で最も完璧な作品の一つであるということ。
登録基準(ii)
シャルトル大聖堂は、国内ではランスやアミアン、イギリスのウェストミンスター、ドイツのケルンなど、ゴシック様式の建築物に多大な影響を与えてきたということ。
登録基準(iv)
シャルトル大聖堂は、ゴシック様式の大聖堂を代表するものであり、お手本のような建築物であるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
シャルトル大聖堂は、ゴシック様式の傑作であると同時にお手本もあり、これをモデルにした建築物は、フランス国内だけではなく、ドイツやイギリスなどでも見られるという点で評価されています。
ちなみに、似たようなゴシック様式の大聖堂はフランス各地に点在しますが、ランスの大聖堂こそがフランス王の戴冠式が行われる場所。しかし、16世紀のアンリ4世だけがシャルトルで戴冠しているのです。それほどにここが格が高い大聖堂であるということ。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。