登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7),(8),(9) |
登録年 | 1992年 |
クガリ(フレーザー島)はオーストラリアの東海岸に面した世界最大の砂島。南北122kmの長さを誇る砂島には、熱帯雨林と砂丘に溜まった淡水湖など、世界で他には見られない景観を眺められる場所でもあります。
ここでは、クガリ(フレーザー島)がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、クガリについて詳しくなること間違いなし!
クガリ(フレーザー島)とは?
島はオーストラリア北東のクイーンズランド州に位置していて、州都ブリスベンからは北へ約300kmの距離にあります。「クガリ」とは、1万9000年前にこの地に定住していたアボリジニのバジャラ族の言葉で「楽園」といった意味があります。もともとフレーザー島と呼ばれていて、これは1836年にエリザ・フレーザーという女性がここで漂着したことが由来となっているのですが、詳細は不明。
そして、フレーザー島が紹介されると、森林伐採や観光目的のため、島は荒廃。バジャラ族も島から去っていきました。現在では自然保護区も作られ、登録名も元の名前であった「クガリ」に2021年に変更されました。
ここは南北122kmの長さを誇る世界最大の砂島。島の西海岸沖にいある小さな島も登録範囲に含まれています。この島は約80万年前にオーストラリア大陸の東部にあるグレート・ディヴァイディング山脈から砂が風によって運ばれ、堆積した砂が島となったのです。そして、砂丘に留まる鳥の糞から木の種子が運ばれ、森が形成。やがて現在のような緑豊かな島になりました。
島の周辺を囲むように存在する砂浜の長さはなんと250km。島内は淡水湖が点在し、透明度の高さは世界でもトップクラス。
クガリ(フレーザー島)はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
クガリが評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
世界最大の砂の島であり、250kmを超える砂浜、熱帯雨林、淡水湖など、世界でも他に見られない景観が存在するという点。
登録基準(viii)
巨大な砂丘は、さまざまな淡水湖を持つという地形もユニークですが、砂丘そのものは世界でも最も長く、現在でも拡大を続けており、地質学の観点からしても重要な価値があるということ。
登録基準(ix)
砂丘の上に熱帯雨林が存在するというのは世界でも非常に珍しく、花々が生い茂った地帯、絶滅危惧種のカエルを含む動物相など、乏しい地形の中で独自の生態系を持つということ。
世界遺産マニアの結論と感想
砂だけで形成された島というだけで貴重なのですが、なんといっても砂丘の上に熱帯雨林や淡水湖が点在し、絶滅危惧種の動物など、独特の生態系が見られる場所でもあります。
ちなみに、島の浜辺には難破船マヘノ号という大きな船の残骸が打ち上げられていますが、これはスクラップ品として日本に運ばれる予定だったもの。日本でバラされることなく、観光スポットとして残り続けているので、ある意味、幸せ者ではありますね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。