アメリカの世界遺産「グレート・スモーキー山脈国立公園」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分自然遺産
登録基準(7),(8),(9),(10)
登録年1983年

アメリカ東部にある2090平方kmもの広大な公園で、ほぼ東京都と同じほどの広さを誇ります。ここは手つかずの原生林が残っていて、ヨーロッパ全土とほぼ同じ数の樹木を含む3500種以上の植物が見られ、サンショウウオ科の種類も豊富で、絶滅危惧種の動物も多く生息。

ここではグレート・スモーキー山脈国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、グレート・スモーキー山脈国立公園について詳しくなること間違いなし!

目次

グレート・スモーキー山脈国立公園とは?

アメリカビーバー/グレート・スモーキー山脈国立公園
画像素材:shutterstock

アメリカ東部のノース・カロライナ州とテネシー州の州堺にある広大な公園で、ここは更新世(約258万年〜約1万年前)に発生した氷河期を乗り越えた動植物が生息する保護区でもあります。敷地内には、北極地第三紀植物(中生代から新生代中期にかけて北半球で見られる植物)の残骸などが見られ、更新世後期の植物相の出現を示すもの。ここは地球上で残る最大のトウヒの保護区を持つ、手つかずの原生林が残っているのが特徴です。

標高250mから2000mまで高低差があり、植物の垂直分布が見られ、高地にはマツ科の針葉樹、低地にはナラやブナなどの落葉樹が植生し、樹木は130種存在します。公園では、減少傾向にあったカナダカワウソが見られ、アメリカビーバーなどの生息数も増えています。

グレート・スモーキー山脈国立公園はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

グレート・スモーキー山脈国立公園
画像素材:shutterstock

グレート・スモーキー山脈国立公園が評価されたのが、以下の点。

登録基準(vii)
グレート・スモーキー山脈は、霧に包まれた山々、広大な原生林、清流が続く美しい景観が見られるという点。

登録基準(viii)
グレート・スモーキー山脈国立公園では、北極地第三紀植物の姿が見られ、更新世後期の植物相が人類が影響を与える前の状態が分かるという点。

登録基準(ix)
グレート・スモーキー山脈国立公園では、北極地第三紀植物の遺構が見られる世界最大規模のエリアの一つで、自然における継続的な生物の進化の重要な例が見られるということ。

登録基準(x)
グレート・スモーキー山脈は、世界でも最も多様な温帯保護地域の一つで105種の在来樹種を含む、1300種を越える維管束植物が存在し、500種の非維管束植物が見られるという多様な植物相が見られます。この公園は生態系が健全であるという指標でもあるサンショウウオ科が31種類も暮らし、そのうち肺のないサンショウウオは23種も生息するという生物多様性が存在しているということ。

世界遺産マニアの結論と感想

グレート・スモーキー山脈は、手つかずの自然が残っていて、地層からはかつて北半球で多く生息していた植物の跡が見られ、これらは植物の進化を示すもの。ここは多様な植物相も見られ、特にサンショウウオの種類も多く見られるという点で評価されています。

この公園は1917年オープンですが、実は当時にこの公園の写真を取りながら巡ったジョージ・マサ(1881〜1933年)という日本人によって、既に開拓されていたというからすごい話ですね、

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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