登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7), (9), (10) |
登録年 | 2005年 |
メキシコ北西部に位置するカリフォルニア湾は、本土とババ・カリフォルニア半島に囲まれていて、244もの島や小島群で構成されています。ここは大陸島と海洋島が同じ海域に存在するという非常に豊かな海で、世界の海洋哺乳類の約40%が生息し、世界のクジラの3分の1がここに住むという「世界の水族館」。
ここではカリフォルニア湾の島々と自然保護区群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、カリフォルニア湾について詳しくなること間違いなし!
カリフォルニア湾の島々と自然保護区群とは?
メキシコ北西部にあるカリフォルニア湾は「世界の水族館」と呼ばれるほどに、海洋生物が多く生息するエリア。北はアメリカとの国境近くにあるコロラド川の河口から、南はババ・カリフォルニア半島の先端部から南東270kmの地点まで広がっています。登録エリアは、面積が約31万1000kmもあるアメリカとメキシコの国境に位置するソノラ砂漠と、その沿岸に浮かぶ244もの島が含まれ、保護地域は9つもあり、ほとんどが海域。
カリフォルニア湾の島々は、かつては陸続きで淡水性の動物が多い大陸島と、火山活動によって形成され、鳥類や海水性の動物が生息する海洋島に分かれていて、それぞれ2つの異なる環境にあることから、非常に多くの海洋生物が生息。登録エリアには約900種の魚類が生息し、そのうちの約90種は固有種であり、世界の海洋哺乳類の約40%が生息するというほど。ソノラ砂漠の一部も登録範囲で、ここには高さ25mにも及ぶ世界最大の大ハシラサボテンが見られます。
カリフォルニア湾の島々と自然保護区群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
カリフォルニア湾が評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
カリフォルニア湾の北部の島々は荒涼とした起伏があり、南部は落葉樹に覆われていたりと、さまざまな環境が見られる島々はターコイズブルーの海と合わさって美しい景観を作り出しているという点。
登録基準(ix)
カリフォルニア湾はプラクトンが豊富であるため、多様な海洋生物が見られ、大陸島と海洋島が存在するという独特な環境がそれらの独特の固有種の進化に関連しているということ。
登録基準(x)
登録エリアは陸上でも700種近くの維管束植物が見られ、海域には約90種の固有種を含めた900もの魚類が生息。ここには絶滅危惧種が含まれ、世界の海洋哺乳類の約40%が生息しているというほど。絶滅危惧種のシロナガスクジラやマッコウなど11種のクジラがカリフォルニア湾に訪れることでも有名であるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
カリフォルニア湾は、大陸島と海洋島の2つが存在し、プラクトンも豊富に発生することから「世界の水族館」と呼ばれるほどの生物多様性が存在することが評価されています。そして、絶滅危惧種も多く、シロナガスクジラやマッコウクジラなど、11種ものクジラが訪れる海域であるというのもポイント。
ちなみに、カリフォルニア湾北部にはコガシラネズミイルカというイルカの固有種もいて、これは世界でも最も小さいクジラの一種とされてます。そして、年々減り続け、現在は10頭となり、絶滅寸前の状態。ここでは伝統的な「刺し網」という方法で魚を捕るため、その際にイルカも巻き添えになることも多いのです。政府は禁止としているのに、今でも違法な漁が続けられていることが絶滅の原因だとか。結局、人間の身勝手な行動が生物の絶滅に繋がるのですね…。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。