登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7), (8) |
登録年 | 1985年 |
ペルー中央部に位置する標高6768mのワスカラン山はペルー最高峰。このワスカラン山を中心に6000m級の山々と氷河、ヤンガヌコ湖などの美しい氷河湖、深い渓谷などが見られるのがワスカラン国立公園です。ここにはアンデスの高山帯でしか見られないプヤ・ライモンディなども生息。
ここではワスカラン国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ワスカラン国立公園について詳しくなること間違いなし!
ワスカラン国立公園とは?
首都リマから北方へ約400km。ワスカラン国立公園は、ペルー最高峰のワスカラン山を代表に6000m級の山が連なる公園です。ここは南緯10度前後の熱帯地域にありながら、雪に覆われた山々、氷河、氷河湖、ツンドラなどが存在するというのが特徴。特に氷河湖を含む湖は300以上も存在していて、トルコブルーの湖面が美しいヤンガヌコ湖などで有名です。
標高2500〜6000mに位置する公園は世界でも最高峰に位置し、豊かな生態系を見ることができます。1960年代に絶滅の危機に瀕していたビクーニャがここで個体数を取り戻したことから、南米で最も成功した自然保護のモデルケースになりました。他にも絶滅危惧種のメガネグマとアンデスネコ、個体数が減っているピューマなど、100種以上の哺乳類が見られます。
プヤ・ライモンディ
アンデスの高原帯に生息するものですが、亜熱帯の気候でしか育たないパイナップル科の植物で絶滅危惧種。そのイガの部分は数mにもなるというほどの巨大な植物で「100年に一度花が咲く」と言われ、数十年に一度10m程度の巨大な花を無数に咲かすことで有名。ギネスブックにも「世界最大の花」「花が咲くまで最も時間がかかる植物」として登録されています。
ワスカラン国立公園はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ワスカラン国立公園が評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
ワスカラン国立公園は、標高2500〜6000mという高低差があり、そこには氷河に覆われた山頂や氷河湖、高原、森林など、さまざまな地形が見られ、豊かな動植物が生息するという点。
登録基準(viii)
ワスカラン国立公園の山々の形成は非常に複雑で、地質学的に注目されるもの。大陸プレートと海洋プレートが圧力を受け、曲がるように山々が隆起して断層が形成され、火山活動も活発。大地震も度々発生してます。しかし、地球温暖化の影響で氷河が消えつつあり、公園の環境はさらに変化する可能性があるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
6000m級のワスカラン山を中心に標高差が4000m近くもあり、さらに南緯10度という亜熱帯に位置するため、さまざまな地形が見られ、そこに住む動植物もかなり独特であるという点で評価。そして、山脈の形成もプレート同士が重なり合うように誕生し、火山や地震など、地質学的にも貴重なものであるというのもポイント。
ちなみに、ビクーニャはインカ帝国時代から毛皮が利用され、今でも高級品であるほどにペルーでは貴重な生物。かなり運動量がある動物で家畜化が難しいものですが、実はモフモフのアルパカの原種であるという説もあるほど。でも、最近では原種は近縁種のグアナコという説もあったりと、ハッキリしていないところ。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。