韓国の世界遺産「宗廟」とは?無形文化遺産も含めて世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(4)
登録年1995年

首都ソウル市内にある宗廟(そうびょう、チョンミョ)は、14〜20世紀に使用されていた李氏朝鮮王朝の祖先祭祀場。現在の建築物は17世紀から存在し、歴代皇帝の位牌が置かれてます。ここは16世紀から毎年5月に王を祀る宗廟祭礼祭が行われていて、無形文化遺産にも登録。

ここでは、宗廟がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、宗廟について詳しくなること間違いなし!

目次

宗廟とは?無形文化遺産としても登録?

宗廟
画像素材:shutterstock

ソウル特別市の北側に位置する宗廟は、李氏朝鮮時代の王と王妃の位牌を収めた祖先祭祀場。ここは歴代王にとって彼らの正当性を示すシンボル的存在で、国家の安全を願って儀式が行われていました。宗廟はもともと1395年に初代国王・李成桂(1335〜1408年)によって建造されたもの。彼は1394年にソウルを首都とすると、祖先4代の位牌を納めた祭祀場を建造。1592年の文禄の役の際に破壊されたものの、1608年に再建されました。

ここは李氏朝鮮時代の国教であった儒教の思想に基づいて建造され、正殿と永寧殿(ヨンニョンジョン)の2つのメインの建造物以外にも、功臣の霊を祀る功臣堂や、楽器を保管する倉庫、楽師の待機場など、関連施設も残ります。

正殿

正殿/宗廟
画像素材:AdobeStock

幅150mで、外廊には柱が並び、同時代の単一木造建築物としては世界でも最大級。部屋は西側から安置された太祖・を李成桂はじめ、歴代の19人の王とその妃の位牌が置かれています。位牌が安置された部屋はどれも普段は閉められてていて、儀式が行われる時以外は閉鎖。

永寧殿

永寧殿/宗廟
画像素材:shutterstock

15世紀に第2代国王の定宗に建造された別館。ここは当初置かれてた祖先4代の位牌と、正殿から移された王や王妃の位牌が置かれています。

宗廟大祭

15世紀から伝わるとされる祭礼儀礼で、毎年5月第1日曜日に、李王家の末裔の人々によって、李氏朝鮮時代と同じように歴代王の功績を称えるというもの。この日だけ位牌が置かれた部屋の扉が開かれます。2009年にはユネスコ無形文化遺産に登録。

宗廟はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

正殿/宗廟
画像素材:shutterstock

宗廟が評価されたのが、以下の点。

登録基準(iv)
16世紀以降、比較的保存状態の良い祖先祭祀場の優れた建築物であって、宗廟大祭など伝統儀式によって施設が存続されているという点。

世界遺産マニアの結論と感想

ここは李氏朝鮮王朝の墓というよりも、儒教の発想で作られた祖先祭祀場であり、建築物の美しさとスケールの大きさも優れていて、現在でも王族の末裔によって使用され続けている施設であるという点で評価されています。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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