登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7),(10) |
登録年 | 1991年 |
世界最大の爬虫類・コモドオオトカゲが住むのはインドネシアのコモド国立公園。まるで恐竜のように見えたことから「コモドドラゴン」とも呼ばれます。これらの火山島には約5700頭も生息しており、進化論を研究している科学者にとって非常に興味深いもの。そして、ここは豊かな自然が残る島々としても知られます。
ここでは、コモド国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、コモド国立公園について詳しくなること間違いなし!
コモド国立公園とは?
コモド国立公園はインドネシアの中心部にあり、スンバワ島とフローレス島という大きな島の間に位置します。公園は3つの主要な島(コモド島、リンチャ島、パダール島)と小さな島々で構成。 これらはオーストラリア大陸とユーラシア大陸の2つのプレートの間に位置する火山島となっています。
島の周辺はサンゴ礁で囲まれており、海洋生物の保護区に。よって、世界遺産としての登録エリアは、2200平方kmと広大。保護区では、コモドドラゴンだけではなく、ウミガメやイルカなど、海洋生物も多く見られます。
コモドオオトカゲ(通称コモドドラゴン)とは一体どんな生物?人間を襲うことも?
コモドオオトカゲは、世界で最大かつ最も重いトカゲであり、平均2〜3mの大きさに成長します。かつてインドネシアとオーストラリアに生息していた大きなトカゲの最後の種だと考えられています。なぜ「コモドドラゴン」と呼ばれるかというと、1911年に西洋人に発見された際に、まるで恐竜のように見えたというのが理由。
歯の間には、獲物の血液の凝固を妨げ失血させるという毒が出るので、これで狩りを行います。普段は大人しいのですが、大型動物を捕食するという獰猛さで、広く知られています。なんと1974年には一般男性が襲われたことも。とはいえ、1974年以降に公園内でコモドオオトカゲに噛まれたケースは30人程度で、そのうち死亡したのは5人だけではあります。
コモドオオトカゲとは呼ばれますが、生息地はコモド島、リンチャ島、ギリモトン島、およびフローレス島西部と北部の一部の沿岸地域に広く分布。しかし、エサとなる鹿が島内で乱獲されたこと、そして、皮を狙って密猟されることから数が減少しています。
コモド国立公園はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
コモド国立公園が評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
コモド国立公園の周辺は、非常に栄養の高い海とされ、美しいサンゴ礁と鮮やかな白い砂浜の保護区が残っています。インドネシア全土で最も美しいと思われる景色の一つであるということ。
登録基準(x)
世界最大の爬虫類であるコモドオオトカゲは、絶滅の危機にさらされているという点。
世界遺産マニアの結論と感想
名前がコモド国立公園なので、コモドドラゴンだけが登録されていると思いがちですが、実はインドネシアの中でも希少な自然が残るエリアで、多くの生物が生息しているのです。
とはいえ、この遺産の顔であるコモドオオトカゲは、森林伐採と密猟によって、数も減っているのです。もちろん、近づくと危険な生物ではあるのですが、人間を襲う件数以上に多くのコモドオオトカゲが「人間によって襲われている」ということは、人類はよく知っておくべきことですね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。