登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (5) |
登録年 | 2017年 |
グヤダーとは、グリーンランド南部に位置する「東入植地」を意味するもので、ここは亜寒帯における農業景観が広がっています。遺跡は10世紀にアイスランドから移住したノース人と、18世紀から続くイヌイットの狩猟・農耕民の文化が分かるもの。ここでは2つの民族による文化が合わさった、農業や放牧、海洋哺乳類の狩猟などを含めた文化的景観が見られ、これは北極圏にもたらされた農業の導入とノース人の入植地の拡大を示しています。
ここでグリーンランドのグヤダー:氷冠縁辺部における古代スカンジナビア人とイヌイットの農業景観がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、グヤダーについて詳しくなること間違いなし!
グリーンランドのグヤダー:氷冠縁辺部における古代スカンジナビア人とイヌイットの農業景観とは?
グリーンランドは、10世紀に「赤毛のエイリーク」に率いられたノース人(古代スカンディナヴィアの人)がアイスランドから到達すると、彼らはここで定住を始め、亜寒帯のこの地で放牧と農業をしながら15世紀に放棄するまで暮らしていました。そして、18世紀から現在まで原住民であるイヌイットたちが狩猟と農業をしながら暮らしていることから、2つの民族の文化を伝える地でもあります。
ここは農業や放牧、海洋哺乳類の狩猟などを含めた文化的景観が見られ、北極圏の農業の導入とヨーロッパを越えてノース人が入植地を拡大したことを示すもの。世界遺産としては、5つの構成資産が登録され、農場や牧草地、かつてのノース人が利用していた教会や大聖堂などの考古学遺跡が含まれます。そして、イヌイットの農家と関連する建造物も含まれていて、言語や歴史、工芸品、儀式などの独自の文化は現在もこの地で見られるのも特徴。
グリーンランドのグヤダー:氷冠縁辺部における古代スカンジナビア人とイヌイットの農業景観はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
グヤダーが評価されたのが、以下の点。
登録基準(v)
クジャターは、グリーンランド南部の比較的穏やかな気候の中で、10〜15世紀までノース人による農地の開拓と、18世紀から現在までイヌイットが農業と狩猟を行いながら開拓地を開発したため、2つの民族の歴史と文化の融合が見られる独特な文化的景観が広がります。この厳しい環境の中で土地利用、定住、自給自足を発展させることを可能とした気候はイヌイットによる農業景観を生み出し、かつてのノース人による定住を明らかにしているという点。
世界遺産マニアの結論と感想
クジャターはかつてのノース人による入植地の痕跡を残し、彼らが15世紀に去ってから18世紀にイヌイットがこの地で暮らし始めると、農業と狩猟による経済を発展され、その景観はかつてのノース人の定住を証明するものであるという点で評価されています。
ちなみに、赤毛のエイリークはグリーンランドを開拓をした初めてのヨーロッパ人とされますが、彼の息子であるレイフ・エリクソンこそがヨーロッパ人において初めてアメリカ大陸に到達した人物とされています。彼が入植したと考えられているのが、カナダのニューファンドランド島の「ランス・オ・メドー」とされていて、これも世界遺産に登録。どちらもヨーロッパ初という点で非常に興味深い遺産でもあります。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。