登録区分 | 自然遺産 危機遺産2018年〜 |
登録基準 | (8),(10) |
登録年 | 1997年(2001年拡張) |
ケニア北西部にあるトゥルカナ湖は、南北250km、東西は最大で40kmという細長い湖。ここは渡り鳥の中継地となっていて、ナイルワニやカバの一大生息地となっています。世界遺産としては東岸のシビロイ国立公園など3つの国立公園で構成されるものの、隣国エチオピアのダム開発の影響で危機遺産に登録。
ここではトゥルカナ湖国立公園群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、トゥルカナ湖国立公園群について詳しくなること間違いなし!
トゥルカナ湖国立公園群とは?
トゥルカナ湖は、アフリカ大陸の大地溝帯にある塩湖で、北部はエチオピアに属するものの、大部分はケニアに属していて合計で6405平方kmもの面積を誇ります。世界遺産としては、湖の東側に位置するシビロイ国立公園、湖の中央に浮かぶセントラル・アイランズ公園、南部に位置するサウス・アイランズ国立公園の3つで構成。ここは東アフリカで最も塩分の強い湖であり、世界最大の砂漠の中に存在する湖でもあります。
湖の東岸にあるは、コービ・フォラではホモ・ハビリスの化石が発見されていて、200万年前の木々の化石が存在することから、かつては豊かな森が広がっていたと考えられています。ここは渡り鳥の中継地であり、フラミンゴを含む、350種以上の鳥類が見られるのが特徴。そして、湖には希少種のナイルワニ、絶滅危惧種のカバの生息地であるということでも有名です。
危機遺産
エチオピア側のオモ川沿いは大型ダムの建設が進められていて、これにより湖水面が低下し、塩分濃度が上昇する恐れもあり、生態系に多大な影響を与える可能性から2018年に危機遺産に登録されています。
トゥルカナ湖国立公園群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
トゥルカナ湖国立公園群が評価されたのが、以下の点。
登録基準(viii)
トゥルカナ湖は、鮮新世から完新世(約400万年〜1万年)までの地層が見られ、火山の浸食と堆積、人類や哺乳類、軟体動物の化石が発見されるなど、地球の主要段階を示しているということ。
登録基準(x)
トゥルカナ湖の保護区域には、350種以上の鳥類を含む渡り鳥の保護区でもあり、陸上では絶滅危惧種のアミメキリンやライオン、グレビーシマウマ、湖ではカバなど、さまざまな動物が見られる上に、ナイルワニの保護区でもあり、各種のアカシアや塩分に耐えることができるヤシなど植物の生態系も豊富であるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
トゥルカナ湖は、火山活動が盛んな火山島もあり、古い堆積物からは動植物の進化が見られ、湖にはナイルワニやカバの一大生息地であり、豊かな生態系が見られるという点で評価されています。
ちなみに、湖に生息しているナイルパーチは、かなり大型の魚で、アフリカの熱帯の河川や湖に広く生息しているのですが、スズキ目に属する魚であるため、最近は回転寿司やフライ用の白身魚として日本では割と食用としておなじみの魚でもあります。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。