エチオピアの世界遺産「オモ川下流域」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(3), (4)
登録年1980年

エチオピア南部を流れるオモ川の下流域は、人類と動物の化石が発見された岩石層があります。ここは1967年から調査が行われ、パラントロプス・エチオピクスの下顎骨(かがくこつ)の化石が発掘されると、アウストラロピテクス属の化石も数種類見つかり、そこから進化したホモ・ハビリスが使用したと考えられる約250万年前の石器類も発見されています。

ここではオモ川下流域がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、オモ川下流域について詳しくなること間違いなし!

目次

オモ川下流域とは?

ホモ・ハビリス/オモ川下流域
画像素材:shutterstock

エチオピア南西部にあるオモ川の下流域の165平方kmにもなる広大な面積が登録。古い堆積物では、人類の進化に関する多くの化石が発掘されたということで有名です。更新世(約258万年前〜1万年前)に遡る堆積物からはパラントロプス・エチオピクスなどのパラントロプス属やアウストラロピテクス属を含む、多数のヒト科や動物の化石が発掘。ここで発掘されたものは人類のアフリカ起源説を証明するもので、さらにホモ・ハビリス(240万年前〜140万年前に生息していたヒト科の一種)が使用した打製石器も発見され、先史時代の技術も見られるという点で、人類にとって重要な遺跡でもあります。

放射測定や磁気による測定によると約350万年〜100万年前に遡る化石がこの地で発見され、アウストラロピテクス属だけではなく、ホモ・ハビリス、ホモ・エレクトゥスなど、230種ものヒト科の化石が合計で5万も出土し、この遺跡は考古学だけでなく、地質学や古人類学などにも大きく貢献しています。

オモ川下流域はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

オモ川下流域
画像素材:shutterstock

オモ川下流域が評価されたのが、以下の点。

登録基準(iii)
オモ川下流域にある先史時代の考古学遺跡からは、ここで暮らしていた人類によって世界でも最初期の工芸が見られるという点。

登録基準(iv)
オモ川下流域での発見は、先史時代における人類最初期の文化活動の発展が見られるということ。

世界遺産マニアの結論と感想

オモ川流域は、ヒト科のルーツである猿人の化石が多く出土する土地であり、遺跡からは打製石器などが見られることから人類でも最初期の工芸品が見られ、これは人類最初期の文化活動の足跡が残るという点で評価されています。

ちなみに、南西部のトゥルカナ湖の国境を隔てたエリアでは「ブラック・スカル」というパラントロプス・エチオピクスの化石が発掘され、これはマンガンによる着色からこの名前が付けられました。ブラック・スカルは頭頂部にウルトラマンのように矢状稜(やじょうりょう)が見られ、噛む力が強かったとされています。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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