登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (8) |
登録年 | 1995年 |
ドイツ中西部に位置するメッセル採掘場(ピット)は、厚さ190mものオイルシェール(油母頁岩)層が存在しています。ここでは5700〜3600万年前の始新世に生息していた生物の化石が多く出土。19世紀末にワニの化石が発見して以来、さまざまな動物の化石が発掘され、これらは哺乳類の進化の初期段階を示しています。
ここではメッセル採掘場の化石発掘現場がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、メッセル採掘場について詳しくなること間違いなし!
メッセル採掘場の化石発掘現場とは?
ドイツ中西部・ヘッセン州の村メッセル郊外には、オイルシェール(油母頁岩)層があり、ここは42万平方mの敷地に深さ190mもの採掘場となっています。もともとは鉄鉱石の採掘を目的に利用されてきましたが、19世紀後半にワニ属の化石が発見されて以来、さまざまな動物の化石が発掘されてきました。ここは始新世(約5600〜3390万年前)は亜熱帯気候の土地であったと考えられ、地下には当時の地層が含まれていて、現生哺乳類が出現した時期である古第三紀の生物の進化を示す化石が多く発掘。
1970年代ころに科学的な発掘が開始され、ここは骨格から皮膚、羽毛、内蔵にいたるまで、1000種を超える動植物の化石が発掘され、その質や量、種類を含めて非常に貴重なもの。特に「パレオキロプテリクス」というコウモリの先祖の化石が見られ、他にも霊長類、鳥類、昆虫の進化を示す化石が多く出土し、生物の進化に関する研究に貢献しています。
メッセル採掘場の化石発掘現場はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
メッセル採掘場が評価されたのが、以下の点。
登録基準(viii)
メッセル採掘場の化石発掘現場は、非常に保存状態の良い化石が発見されていて、哺乳類が陸上生態系として拡大した始新世の研究に貢献する場所であるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
メッセル採掘場は、地下のオイルシェール層の中に多くの化石が発見されていて、これは哺乳類が地上に拡大した始新世の時期の生物の化石が含まれ、生物の進化に関する研究において貢献した場所であるという点で評価されています。
ちなみに、なぜこの地でこんなにも多くの動物の化石が発見されるのか…というと、どうやらここはかつては湖で有毒なガスが噴出していたため、動物がここを訪れるとバタバタと倒れていき、それが堆積して形成されたと考えられています。実際に、1986年のカメルーンにて同じような自然現象が発生しているんですよ。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。