登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (9),(10) |
登録年 | 1998年 |
ニュージーランドの南東部にある亜南極諸島は、キャンベル島を含めた5つのエリアで構成されていて、寒流と暖流が交流することから多くの魚類が集まる地。ここでは126種の鳥類が見られ、固有種は8種類も生息。絶滅危惧種のニュージーランドアシカのほとんどがここで見られることで有名です。
ここではニュージーランドの亜南極諸島がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、亜南極諸島について詳しくなること間違いなし!
キャンベル島を含めたニュージーランドの亜南極諸島とは?
ニュージーランド南東の南緯47度から53度の間にある、スネアズ諸島、バウンティ諸島、アンティポデス諸島、オークランド諸島、キャンベル島の5つの島々から構成。ここは南極からの寒流と太平洋からの暖流がぶつかり合い、プランクトンが多く発生します。そして、多くの魚類が集まってくることから、これらを狙った鳥類の繁殖地になっているという仕組み。
ここは海鳥とペンギンが多く集まる地で、保護区として人の立ち入りは制限されています。40種類の海鳥を含めた約126種の鳥類が生息していて、固有種は8種類も生息。スネアズ諸島は約200万ものハイイロミズナギドリが見られ、ここは世界の22種のアホウドリのうち10種類も生息するというほど。
オークランド諸島やスネアズ諸島、キャンベル島では絶滅危惧種のニュージーランドアシカの約95%以上がここで見られるということでも有名。そして、海域はミナミセミクジラの重要な繁殖地ともなっています。
ニュージーランドの亜南極諸島はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
亜南極諸島が評価されたのが、以下の点。
登録基準(ix)
亜南極諸島は、隔離された環境や気候によって生物相に大きく影響が与えられ、鳥類が飛翔能力が損失するなどの進化の過程が見られ、亜南極気候に合わせてハーブが巨大化し、環境に適応するといった植物の多様性も見られるという点。
登録基準(x)
亜南極諸島は、世界でも最大級の海鳥の多様性が見られ、鳥類はアホウドリやペンギンなど固有種も8種類生息していて、他にも世界でも数少ないニュージーランドアシカの繁殖地。そして、巨大ハーブなどの固有種を含んだ、生物多様性も見られ、スネアズ諸島やオークランド諸島などは人間や外来種の影響も受けていないという点でも貴重であるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
ニュージーランドの南東部に浮かぶ亜南極諸島は、プランクトンが多く発生し、魚が集まる豊かな海であることから、海鳥を含めた鳥類が多く見られ、その環境からハーブが巨大化したり、絶滅危惧種のニュージーランドアシカやミナミセミクジラなど、哺乳類の繁殖地にもなっているということで評価されています。
ちなみに、この地域は南緯40~50度に位置することから「吠える40度」と呼ばれることも。ちょうど南緯40~50度は風を弱める陸地が少なく、この地域は南半球でも風が強い地域であり、風が「吠えている」ようだからこの名が付けられました。ちなみに、航海をするのには理想的な環境であり、人類は古くからこの風を利用して、船の速度を上げていたのです。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。