登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7), (9) |
登録年 | 2010年 |
シベリアの北部に位置するプトラナ台地は、北極圏から約100km南方に位置する広大なエリアで、プトラナ自然保護区も含まれるもの。ここにはタイガやツンドラ、極地高原、冷水湖など、亜北極圏から北極圏までの生態系が見られます。そして、登録された敷地は野生のトナカイの移動ルートとなっていて、植物種も豊富。
ここではプトラナ台地がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、プトラナ台地について詳しくなること間違いなし!
プトラナ台地とは?
プトラナ台地は、中央シベリアの北部・クラスノヤルスク地方に位置し、登録範囲は1万8872平方kmにも及び、プトラナ国立自然保護区とほぼ一致しています。ここは2億5000万年前に地表からマグマが噴出して形成された溶岩台地が氷河によって削られ、フィヨルドのような地形が続くエリアとなりました。カラマツが続くタイガやツンドラ、極地高原、冷水湖など、さまざまな自然環境が広がり、亜北極圏から北極圏までの生態系が見られます。
ここは隔絶された山脈に囲まれる土地で、人が住むことが少ないことから、人間の開発の影響を最小限に抑えられていて、生態系が継続して保護されてきたもの。そういった環境から維管束植物は398種類も見られます。ここは野生のトナカイの移動ルートになっていて、偶蹄目(ぐうていもく)の中でも希少なシベリアビッグホーンが生息していることでも有名。
プトラナ台地はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
プトラナ台地が評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
プトラナ台地は、人間の開発を受けず、何十もの峡谷によって形成された、玄武岩の層が広がり、フィヨルドのような地形に何千もの滝や2万5000もの湖があり、亜北極圏から北極圏までの珍しい地衣類や針葉樹林が広がっているという点。
登録基準(ix)
プトラナ台地は、亜北極圏から北極圏までの生態系が見られ、生態の進化も見られます。ここはツンドラとタイガの境界にあり、西シベリアと東シベリアの植物の移行点であり、北極圏でも数少ない植物が豊富なエリアの一つ。ここは多様な景観や人類による開発を受けてない環境のため、研究が続けられていてけば、北極圏の生態系に与えれる影響についてさまざま点がわかるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
プトラナ台地は、シベリアでも北極圏の手前にあり、ほとんど人の影響を受けず、さまざまな地形が広がり、ツンドラとタイガの境界、東シベリアと西シベリアの植物相の境界という環境によって、ここは北極でも数少ない植物種が豊かなエリアとなっています。
ちなみに、近くにある都市ノリリスクは、北極圏でも17万人もの人口を誇る都市。なぜここに人が住むのかというと、広大なニッケルの鉱山があり、鉱業によって北極圏とは思えないほどの人口を抱えているのです。そして、ここは収容所があった場所で、ソ連時代は今よりも多く、なんと40万人もの人々が収容されていたそう。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。