登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (4) |
登録年 | 1993年 |
首都デリーの南側には、高さ72.5mの赤い砂岩で建造された塔、クトゥブ・ミナールがあります。周囲のモスクや門を含めて、ここはインド初期のイスラム建築であり、クトゥブ・ミナールはインドで最も高い石造の建築物。
ここではデリーのクトゥブ・ミナールとその建造物群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、クトゥブ・ミナールについて詳しくなること間違いなし!
デリーのクトゥブ・ミナールとその建造物群とは?
デリーの南側には、インド初のイスラム王朝である奴隷王朝(インド・マムルーク朝、1206〜1290年)時代に建造された複合施設があり、これらは奴隷王朝の開祖アイバクがデリーを征服した記念に建造。よって、これらはインド初期のイスラム建築でもあります。
アイバクがクワットゥル・イスラーム・モスクの建造を進めると、破壊したヒンドゥー教やジャイナ教の寺院の素材を利用したため、今でもサンスクリット語の碑文などが刻まれた鉄柱(デリーの鉄柱)などが見られます。
この頃に南東側に高さ72.5mの5層のミナレット(塔)である、クトゥブ・ミナールが建造。これはインドで最も高い石造の建築物でもあります。かつては378段の階段を最上階まで登ることができましたが、1981年に死傷者が出た事故が発生して以降は立ち入りが禁止に。
クワットゥル・イスラーム・モスクは、13〜14世紀にかけて拡張されたため、クトゥブ・ミナールは敷地内に入り、その南に現在も残るアラーイ・ダルワーサ(儀式の門)が建造されました。
デリーのクトゥブ・ミナールとその建造物群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
クトゥブ・ミナールが評価されたのが、以下の点。
登録基準(iv)
クトゥブ・ミナールを含めた建造物群は、インド初期のイスラム建築や芸術などが見られる傑作であるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
インド北部をイスラム王朝が支配し始めた時期に建造された、クワットゥル・イスラーム・モスクは、クトゥブ・ミナールを始め、インドでも最初期のイスラム建築であり、その芸術的価値が高いという点で評価されています。
ちなみに、クトゥブ・ミナールは、アフガニスタンにあったゴール朝時代のジャームのミナレットがモデルとされています。しかし、これは65mで、クトゥブ・ミナールのほうが7.5m高く、世界でも最も高いミナレットだったとされています。
実は、敷地内には未完のミナレットであるアライ・ミナールがあり、これが完成していたら100mを超える建造物になったとか。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。