登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7),(8),(9),(10) |
登録年 | 1991年 |
オーストラリア大陸の最も西に位置するシャーク湾は、世界最大の海藻藻場であり、世界最大のジュゴンの生息地でもあります。そして、地球上で最も古い生命体の一つ、藻類が積み重なった岩石であるストロマトライトが群生していることでも有名。
ここでは、西オーストラリアのシャーク湾がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、シャーク湾について詳しくなること間違いなし!
西オーストラリアのシャーク湾とは?
シャーク湾は、西オーストラリア州の西海岸・ガスコイン地域に位置します。周囲には半島や小さな島がありますが、ここを有名にしたのは世界最大の海藻藻場(約4800平方km)であるということ。そして、シャーク湾に面したハメリン・プールというエリアには、ストロマトライトが群生しています。
ストロマトライトとは、地球上で最も古い生命体の一つで、藻類が積み重なった岩石のこと。これは19億年前に光合成を開始し、地球の大気を作り出したとされ、現在も成長して続けています。
湾には絶滅危惧種のジュゴンが多く生息するコロニーがあり、ここは地球最大規模のもの。シャーク湾は海藻藻場であるため、多くの海洋生物が見られます。絶滅危惧種だとアオウミガメやアカウミガメ、オニイトマキエイなども住んでおり、ザトウクジラも立ち寄るほどに豊かな海でもあるのが特徴。
西オーストラリアのシャーク湾はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
シャーク湾が評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
シャーク湾は、地球上で最も古い生命体で、生きている化石ともいえるストロマトライトが群生する上に、世界最大の海藻藻場もあり、多数の海洋生物が見られる湾であるという点。
登録基準(viii)
シャーク湾には高塩分のハメリン・プールがあり、ストロマトライトが生息。これらは30億年以上に渡って地球上の海洋の生態系を支配してきたという点。
登録基準(ix)
世界最大の海藻藻場があることで、海洋水域の牧草地として多様な生態系を生み出しているということ。
登録基準(x)
シャーク湾は、世界最大のジュゴンの生息地であり、アオウミガメやアカウミガメなど、絶滅の危機に瀕している多くの動植物が生息しているという点。
世界遺産マニアの結論と感想
シャーク湾は、地形というよりも、世界最大の海藻藻場があって、それを目当てに海洋生物が多く暮らしていていて、世界最大のジュゴンの生息地もあるということがポイント。そして、地球でも最も古い生命体の一つであるストロマトライトが「生きた化石」として今でも群生しているということでも評価されています。
ちなみに、シャーク湾と名付けられた理由が、17世紀にウィリアム・ダンピアという海賊が大きなサメを捕まえたというのが由来らしいですが、名前のようにサメだらけの湾ではないのでご安心を!
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。