栃木県の世界文化遺産「日光の社寺」とは?世界遺産マニアが簡単に解説

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登録区分文化遺産
登録基準(1),(4),(6)
登録年1999年

日光の社寺といえば、日光東照宮や日光山輪王寺で有名。これらは世界文化遺産にも登録されていますが、なぜ世界遺産に登録されているのでしょうか?意外と知ってそうで知らない!

今回は日光の社寺がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、日光東照宮や日光山輪王寺について詳しくなること間違いなし!

目次

世界遺産・日光の社寺とは?なぜ評価されたのかを簡単に解説!

男体山
画像素材:shutterstock

栃木県北西部に佇む日光山には、日光東照宮と日光二荒山神社の2つの神社、そして、日光山輪王寺という仏教寺院があり、103もの建造物が世界遺産に登録。一般的に「日光山」というと、現在の輪王寺の山号であり、日光の寺社を指す場合が多いですが、男体山(標高2486m)、女峰山(標高2464m)、太郎山(標高2368m)の三山をあわせて日光三山としますし、修験道の霊場としての意味も持ちます。

日光山は勝道上人という下野国(かつての栃木県一帯)の僧が8世紀にここを開山したことが始まりとされています。その後、修験者が集まる山岳信仰の聖地となり、室町時代には日光修験が最盛期を迎えました。

日光東照宮
画像素材:shutterstock

しかし、戦国時代になると日光は荒廃してしまいますが、17世紀初頭に江戸幕府が始まると、ここは初代将軍・徳川家康(1543〜1616年)の霊廟である東照社が作られます。そして、家康は「東照大権現」と呼ばれる神となり、1634年に「寛永の大造替(だいぞうたい)」と呼ばれる大改修が行われ、現在の権現造り(本殿と拝殿を繋ぐ建築様式)の東照宮が完成しました。

ここは日光山を中心とした山岳信仰と仏教が結びついた修験道だけではなく、歴史的偉人を祀った「人物神」など、日本独自の信仰が見られる地でもあります。

日光の社寺はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

陽明門/日光東照宮
画像素材:shutterstock

日光の社寺が評価されたのは以下の点。

登録基準(i)
森の中に調和がとれるように配された日光の社寺は、建築と芸術の面での人類の創造的資質を示す傑作であるという点。

登録基準(iv)
東照宮と輪王寺の権現造りは、江戸時代において最高の建築技術であり、日本の霊廟建築において多大な影響を与えたということ。

登録基準(vi)
山や森に囲まれた日光の社寺は、人間と自然が一帯であるという神道も関連していて、日本の宗教空間の顕著な例であるという点。

の3つ。つまり、

「日光山を中心とした社寺は、自然と強く結びついた神道とも関連する日本の宗教空間の傑作であり、東照宮と輪王寺の権現造りは、その後の日本の霊廟建築に大きな影響を与えている」

ということですね。

神橋/日光二荒山神社
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ここは以下の3つの資産で構成されています。

・日光東照宮
・日光二荒山神社
・日光山輪王寺

それでは、ひとつひとつ解説していきましょう。

日光の社寺の構成資産をご紹介

1、日光東照宮

陽明門/日光東照宮
画像素材:shutterstock

江戸幕府の初代将軍・徳川家康を神格化した東照大権現を祀る神社。1617年に二代将軍の秀忠の指示によって東照社が建設。そして、3代将軍の家光によって、1634年に「寛永の大造替」と呼ばれる大改修が行われ、現在見られる壮麗な社殿へと改築されました。

ここは本殿と拝殿の間を石の間で結ぶ権現造りの完成形とされ、境内には本殿や陽明門、回廊などを含めて8つの国宝、重要文化財も34棟もあり、日光を代表する建造物です。

2、日光二荒山神社(にっこうふたらさんじんじゃ)

日光二荒山神社
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創建は8世紀と古く、二荒山とは、由来がさまざまあり、日光という名の由来とされる説もありますが、古来より山岳信仰が盛んな地で、戦国時代まで多くの修験者が集まる地でもありました。17世紀に東照社が造営されると、現在ある場所に本社が再建され、社殿なども造営されていきます。

主祭神は、男体山を示す大己貴命(おおなむちのみこと)、女峯山を示す田心姫命(たごりひめのみこと)、太郎山を示す味耜高彦根命(あじすきたかひこねのみこと)。世界遺産としての登録範囲は、本社の周辺だけですが、神社の敷地としては、景勝地として有名な華厳滝やいろは坂、日光連山も含み、伊勢神宮に次ぐ面積を持っています。

3、日光山輪王寺

日光山輪王寺
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起源は奈良時代に遡り、勝道上人によって開創されたと伝わるお寺。もともとは「四本龍寺(しほんりゅうじ)」と呼ばれ、これが現在の輪王寺の基になったとされています。そして、17世紀になると徳川家康の側近であり、天台宗の高僧・天海が住職になり、彼の霊廟である慈眼堂や三代将軍家光が祀られている大猷院(たいゆういん)が建造。

本堂である「三仏堂」は東日本最大の木造建築。ここには千手観音、阿弥陀如来、馬頭観音と、3つの巨大な仏像が置かれていて、これは日本独自の神仏習合(本地垂迹説)を示すもの。敷地内は本堂を含め、17棟もの重要文化財が点在。

世界遺産マニアの結論と感想

徳川家康の霊廟として、あまりにも有名な日光東照宮ですが、周りの2つの施設を含めて世界遺産に登録。ここは古くから山岳信仰が残る地で、自然と結びついた信仰であり、日本独特の神仏融合が見られ、この地で発展した権現造りはその後の日本の霊廟建築に多大な影響を与えたという点で評価されています。

日光といえば「ゆば」ですが、実は日本で一番歴史のあるゆば屋さんがあったりと、日光では古くからゆばが愛されています。ちなみにゆばの発祥は関西でもありますが、日光のゆばは2枚重ねのボリュームたっぷりのタイプなのです。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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