登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (2),(3) |
登録年 | 2000年 |
スペイン東部にあるタラゴナは、かつてタッラコと呼ばれた都市で、古代ローマ時代はスペイン最大の植民都市でした。遺跡のほとんどは都市の下に埋もれていますが、円形劇場や「悪魔の橋」とも呼ばれる水道橋など、ローマ時代の建築物が現在も見られます。
ここではタラゴナの考古遺跡群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、タラゴナの考古遺跡群について詳しくなること間違いなし!
タラゴナの考古遺跡群とは?水道橋はローマ時代からある?
タラゴナはカタルーニャ州の州都バルセロナから西へ約100kmの位置にある位置。かつてはタッラコと呼ばれ、イベリア半島でも最初期のローマ人の入植地であり、ローマ時代はヒスパニア・タラコネンシス州の州都となった都市。ここはローマ皇帝も訪れるほど栄え、当時はイベリア半島の政治・経済の中心地でもありました。
現在のタラゴナには紀元前3世紀ころから初期のキリスト教時代までの都市遺跡が残っています。遺跡の上に街が重なるように建物が作られたため、市内に遺跡が個々に見られ、円形劇場、邸宅跡、フォーラム(公共広場)、教会、墓地遺跡、水道橋などが点在。タラゴナは、ローマの都市計画がよく見られ、官庁エリアから商業エリア、住宅街の跡がよく分かります。そして、周囲1kmの城壁はローマの軍事技術が見られるもの。
ラス・ファレラス水道橋
旧市街から北へ約4kmの位置にある水道橋。フランコリ川から水を引くために建造された2層アーチの橋で、高さは約27m、長さは217mほど。あまりにも短期間で建造されたために「悪魔の橋」と呼ばれるようになりました。
タラゴナの考古遺跡群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
タラゴナの考古遺跡群が評価されたのが、以下の点。
登録基準(ii)
タラゴナのローマ時代の遺跡は、当時の都市計画が見られ、ローマ帝国内の植民都市のモデルともなったということ。
登録基準(iii)
タラゴナの遺跡からは、古代の地中海世界の発展が見られるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
タラゴナは古代ローマ時代、イベリア半島において最大の都市だっただけあって、優れた都市計画が見られ、これが帝国の領土内のモデル都市とされるほどであったという点で評価されています。
ちなみに、今のタラゴナは10万人程度の人々が住む小都市です。これは8世紀にイスラム勢力によって破壊されて以来、カタルーニャ州の中心がバルセロナへ移ったため、その後、人はここに住むことも少なくなったため。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。