スペインの世界遺産「古都トレド」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(1),(2),(3),(4)
登録年1986年

首都マドリードから南に約70kmの位置にある古都トレド。6世紀に西ゴート王国の首都となると、イスラム教勢力やカルティーリャ王国などに支配され、イスラム教やユダヤ教、キリスト教の文化が混じることで独特の建築物が多く作られ、旧市街は「町全体が博物館」とされるほど。

ここでは、古都トレドがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、トレドについて詳しくなること間違なし!

目次

古都トレドとは?

画像素材:shutterstock

トレドは、カスティーリャ=ラ・マンチャ州の州都。先史時代から人は住んでいたものの、伝説ではノアの末裔によって建造されたというほどに古い街。6世紀に西ゴート王国の首都となり、トレド教会会議が開催されたことによって、トレドの司教座の権威が高まり、イベリア半島の首座大司教座となりました。

8世紀にイスラム勢力の支配下になり、トレド王国が築かれるものの、レコンキスタにより、11世紀にキリスト教勢力によって取り戻されます。そして、カルティーリャ王国の王都になりました。15世紀までは、イスラム教徒、ユダヤ教徒、キリスト教徒が共生していてたことにより、町はそれぞれの文化を入り混じった独特の建築物が作られたのです。

しかし、1561年にスペイン王のフェリペ2世がトレドからマドリードに宮廷を移すとトレドは衰退していきました。

登録されている主な構成遺産

バル・アル・マルドゥム・モスク(クリスト・デ・アラ・ルス教会)

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後ウマイヤ朝時代の999年に完成したモスク。古代ペルシャの建築様式が見られ、レコンキスタ後はロマネスク様式の要素が加えられ、現在は「光のキリスト聖堂」として利用されています。

サンタ・マリア・ラ・ブランカ教会 

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12〜13世紀に建造されたシナゴーグ(ユダヤ教の礼拝所兼学校)。内部はイスラム教とキリスト教の建築様式が合わさったムデハル様式の装飾が見られ、現在はキリスト教会として利用されています。

トレド大聖堂

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13世紀にレコンキスタを進めたフェルナンド3世によって建築が進められ、15世紀に完成したゴシック様式の大聖堂。トレド大司教座が置かれていて、スペイン国内のカトリック教の総本山となっています。

中央礼拝堂にある主祭壇の裏側にはスペイン・バロックの傑作と称される「トランスパレンテ」とよばれる彫刻装飾があることでも有名。天井から光が差し込み、神々しい雰囲気が漂っています。

アルカサル

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町の高台に建つアルカサルは、3世紀に帝政ローマ時代の宮殿として建造。16世紀に改築され、現在の形になりました。四角形の建造物で、高さ60mの塔が四辺に配置。1936〜1939年に起きたスペイン内戦で破壊されるも、戦後は再建されて、現在は軍事博物館となっています。

古都トレドはどんな理由で世界遺産に登録されているの?

画像素材:shutterstock

トレドが評価されたのが、以下の点。

登録基準(i)
トレドの建造物は、イスラム教、ユダヤ教、キリスト教、それぞれの文化が融合し、独特の建築物が残るという点。

登録基準(ii)
ローマ帝国、イスラム勢力、カスティーリャ王国などに支配されることによって、さまざまな文化が取り入れられてきたということ。

登録基準(iii)
トレドの町は、ローマ時代、イスラム時代、キリスト教時代などの建築物が残り、さまざまな支配者を経て現在に至っているという点。

登録基準(iV)
旧市街に残る建造物は、この場所がさまざまな支配者によって統治されることで、その度に改築・再利用されてきたということ。

世界遺産マニアの結論と感想

トレドの最大の評価ポイントは、イスラム教、ユダヤ教、キリスト教、それぞれの文化が融合した建築物が多く残るという点。現在はキリスト教の建築物となっていますが、15世紀までそれぞれが共生していたということを示すというのもポイント。

ちなみにクレタ島出身の芸術家エル・グレコが愛したのは、トレドでした。彼は16世紀後半にここで暮らすようになると、キリスト教をテーマにしたものを中心に多くの作品を残しました。しかし、ほとんどの作品は現在はマドリードにあるというが皮肉ですね。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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