登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7), (9) |
登録年 | 1995年 |
ヨーロッパとアジアを分ける境界線であるウラル山脈の北部には、ヨーロッパ最大の亜寒帯林があります。ここは永久凍土に覆われたツンドラや針葉樹林が広がるタイガで構成。この地は森林伐採だけでなく、地下資源が豊富であるために開発が進んでおり、森林を保護するために世界遺産に登録されています。
ここではコミの原生林がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、コミの原生林について詳しくなること間違いなし!
コミの原生林とは?
ロシアの北西部にあるウラル山脈。その西部に広がるコミ共和国は、総面積3万2800平方kmにも及ぶ亜寒帯林が広がっていて、ヨーロッパの原生林としては最大級の規模です。ここは北からペコラ=イリチ自然保護区、ユグド=ヴァ国立公園などで構成され、北部の地面は一年中氷点下以下で、地面が凍結した永久凍土が広がるツンドラ、南部はタイガと呼ばれる、モミ属やトウヒ属、カラマツ属などの木々で覆われています。
ここは16世紀から木材やパルプの原料とするために森林伐採がされ、さらにピョートル大帝(1682〜1725年)の時代にはすでに鉱山資源の開発が始まっていましたが、近年は保護活動が盛んとなり、自然遺産に登録されました。
コミの原生林はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
コミの原生林が評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
登録基準(ix)
コミの原生林は、ウラル山脈内に広がるツンドラや、ヨーロッパの原生林として最も広大なタイガなどで構成され、ここは針葉樹林、泥炭湿地、河川、湖など、50年以上に渡って研究され続け、タイガの生物多様性に影響を与える自然の変化が見られるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
コミの原生林はウラル山脈北部に位置するツンドラやヨーロッパ最大の原生林であるタイガなどが見られ、現在は開発から保護されているために生物多様性などの研究においても重要であるという点で評価されています。
ちなみに、コミ共和国にはさまざまな民族が住んでいますが、古くからコミ人というフィン・ウゴル系の民族が住んでいました。フィン・ウゴル系はフィンランドのフィン人、北欧にするサーミ人など、古くからトナカイ放牧と狩りを行っていた民族ですが、ハンガリーに住むマジャール人なども彼らの仲間。さらにはモンゴロイドの特徴も見られ、彼らは中国あたりからやってきたという説も。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。