登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (2), (4) |
登録年 | 1993年 |
メキシコ中央高原の北側に位置するサカテカスは、16世紀に建造されたスペイン人による植民都市。ここは銀の発掘で大いに繁栄し、街にはチュリゲラ様式と呼ばれる優雅な外観の建築物が多く並びます。そして、多くの建造物がピンク色の石材を使用していることから「バラ色の街」と呼ばれることも。
ここではサカテカス歴史地区がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、サカテカス歴史地区について詳しくなること間違いなし!
サカテカス歴史地区とは?銀山で栄えた?
サカテカスは、メキシコ中央部にあるサカテカス州の州都。スペイン植民地時代に銀鉱脈が発見されたため、16世紀に都市が設立されました。サカテカスのエル・エデン鉱山はボリビアのポトシ銀山に次ぐほどの規模で、街は首都メキシコシティの次ぐ重要な都市となりました。
街は17〜18世紀に繁栄し、現在の歴史地区にはチュリゲラ様式と呼ばれるスペイン独自のバロック様式の建築物が多く点在。それぞれにキリスト教をモチーフに先住民たちの文化や技術が施されたファサードなどが見られます。
サカテカスの建造物はピンク色の石が使用されたことから、「バラ色の街」と呼ばれます。鉱山は1960年に閉鎖されましたが、このピンク色の町並みは保存状態がよく、南部のグアナファトと同様に観光客が多く訪れるようになりました。
サカテカス大聖堂
街の中心部には16世紀から大聖堂が存在していましたが、現在見られるのは18世紀に再建されたもの。この大聖堂の特徴は壮麗なバロック様式のファサードで、天使と植物が彫られた柱やヤコブやペテロ、パウロなど使徒たちの像など、花や植物のモチーフを取り入れた圧倒的なデザインは思わず息を呑むほど。
サカテカス歴史地区はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
サカテカス歴史地区が評価されたのが、以下の点。
登録基準(ii)
サカテカスは、スペインの植民地だった16世紀から独立後の20世紀まで栄えた銀山町であり、その建築様式は中南米の各都市の発展に影響を与えたということ。
登録基準(iv)
サカテカスは、鉱脈のある山間部に建造された、ヨーロッパの植民都市の優れた例であるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
サカテカスは、20世紀まで現役だった鉱山町で、スペインの繁栄を支えた都市であったため、ここで確立されたチュリゲラ様式の優雅な建物と都市デザインは中南米に影響を与えたという点で評価されています。
ちなみに、サカテカスにはちょっと変わったホテルがあって、その名は「キンタ・レアル・サカテカス」。ここはなんと闘牛場を改装したホテルで、舞台は広場に客席部分には花などが飾られているという、見事なリノベーションで有名。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。