ベトナムは東南アジアの中でも成長著しい国。もともとは中国の南東部に住んでいた「百越」と呼ばれるさまざまな民族が南下して建国してきたという歴史を持ちます。それもあり、各地には彼らの足跡が分かる遺跡が点在。
ベトナムで世界遺産として登録されている遺跡はいくつあるでしょうか?ここでは世界遺産に登録された遺跡を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説していきましょう。
ミーソン聖域
ミーソン聖域は、ベトナム中部クアンナム省にあるヒンドゥー教の遺跡群。トゥポン川沿いの盆地に築かれたもので、中心都市ダナンから南へ約40kmの位置にあります。
ここはかつてベトナム南部で栄えたチャンパ王国の聖地でした。4〜13世紀にシヴァ神崇拝の聖地となったことから、多くの祠堂が建造。ベトナム戦争によって破壊されましたが、チャンパ王国の文化を今に伝える遺跡です。
詳細はこちら↓
ハノイのタンロン皇城の中心区域
タンロン皇城は李朝(1009〜1226年)の王宮的存在で、首都ハノイの中心部にあり、保存状態も良好。11世紀に誕生した李朝は、南部にあったホアルーからタンロン(昇竜、現ハノイ)へと遷都しました。
これらは7世紀に中国が紅河デルタの上に建造した要塞遺跡を利用したもの。ここは18世紀まで中国から独立を続け、南部のチャンパ王国の影響を受けつつ、大越国の中心として利用された場所として、東南アジア独自の文化が今でも見られます。
詳細はこちら↓
胡朝の城塞
ベトナム北部にあるタインホア省ヴィンロック県は、かつてベトナム北部を短期間に支配した胡朝時代(1400〜1407年)の首都だった場所。都市は幅870.5m×883.5mの正方形となっていて、東西南北に城門が残っていますが、それ以外はほぼ残されていません。
ここは風水の原理に従ったもので、14世紀後半に中国から持ち込まれた宋学(新儒学)が伝搬したことを示すもの。
詳細はこちら↓
古都ホアルー/チャンアンの景観関連遺産
ハノイの約90km南に位置する古都。ここは丁朝(966〜980年)の王都であり、丁朝が滅んだ後、李朝が昇龍(ハノイ)へ遷都した1010年まで都が置かれました。その後は、軍事拠点となったり、寺院や城壁などが建造されたりしましたが、現在は遺構が残るのみ。
丁朝の皇帝を祀ったディン・ティエン・ホアン祠と、前黎朝の皇帝を祀ったレ・ダイ・ハイ祠という2つの祠が残りますが、これらは17世紀に再建されたもの。
詳細はこちら↓
世界遺産マニアの結論と感想
ベトナムは統一王朝がなかなか長続きをせず、都市が滅んでは新たな都市が建造され続けたという事情もあり、ハノイやホアルーなどにはかつての遺構などが存在しています。遺構からは当時の姿を想像するのは難しいですが、かつての繁栄を想像しながら楽しむ…というのもベトナムならでは。ぜひディープに楽しんでくださいね!
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。