リトアニアはバルト三国で最も南にある国で、森林が約3分の1を占め、湖や湿原などが広がっています。首都ヴィリニュスはユダヤ人の亡命を手助けした杉原千畝の足跡などが残っていることでも有名ですね。国内にはさまざまな遺産がありますが、世界遺産はいくつあるでしょうか?
ここでは、リトアニアを世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
ヴィリニュス歴史地区
リトアニアの南東に位置しており、ヴィルネ川とネリス川の合流点にあるのが首都ヴィリニュス。この地には10世紀ころに城が建てられたものの、町として発展したのは14世紀にリトアニア大公国の首都となってから。
ヴィリニュスは18世紀までリトアニア大公国の首都であったこともあり、文化の中心地でもありました。ゴシック、ルネッサンス、バロックなど、さまざまな時代の建築物も多く残る、ヨーロッパでも最大級の旧市街がある都市です。
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クルシュー砂州(ロシアと共同)
クルシュー砂州は、ロシア・カリーニンググラード州側のサンビア半島から、リトアニアの港町クライペダ近くの海峡まで延びる、長さ98kmのヨーロッパ最大の砂州。ここはバルト海から風と潮が運ばれることによって形成され、約5000年前には存在していたという記録があるほど。
この厳しい環境の中で人々の努力によってその姿を保っていることからここは文化的景観として登録。
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ケルナヴェの考古遺跡(ケルナヴェ文化保護区)
首都ヴィリニュスから北東へ約35mの位置にあるケルナヴェは約1万年に渡って人々が暮らしてきたという歴史の深い町。町の南部の渓谷沿いにある考古遺跡は、旧石器時代後期から中世まで居住地であり、これらは氷河が溶けてからの人類の居住地の拡大を示すもの。
さらに中世まで存在していた集落や要塞、埋葬地などの遺構が残っています。ここは14世紀にドイツ騎士団によって破壊された後、住民は丘の上に移住したため、古代遺跡の保存状態は良好であるというのが特徴。
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シュトルーヴェの測地弧(ほかヨーロッパ9ヶ国と共同)
デンマーク生まれの天文学者フリードリッヒ・フォン・シュトルーベは、エストニア(当時はロシア領)のタルトゥで天文学を学び、1816年から1855年にかけて三角測量を使用し、彼が研究をしていたタルトゥ天文台を含む、ヨーロッパ各地に測地点を置いて、地球の大きさと形について調査しました。
測地点は、北はハンメルフェスト(ノルウェー)から南はスタラ・ネクラシウカ(ウクライナ)まで2820km以上もの距離に265箇所も配置されました。リトアニアには3箇所登録されています。
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モダニズム建築都市カウナス : 楽天主義の建築、1919年-1939年
カウナスは、リトアニア第2の都市。1919年に首都ヴィリニュスがロシアに占領されると、ここは臨時首都になったほどに重要な都市でもありました。第二次世界大戦が始まる1939年まで、政府機関や博物館、大学、ホテル、工場、住宅、インフラ施設まで建設ラッシュとなり、人口も爆発的に増えたことから教会や銀行、学校などの施設も建設する必要もあったために、20年で合計で6000棟もの建造物が築かれたというほど。
ここは臨時首都であったことから、それまでの地方都市が急激に発展し、モダニズム建築が多く並ぶ都市へと変化したというのが特徴。
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世界遺産マニアの結論と感想
リトアニアの世界遺産としては3件ではありますが、構成資産として数えると5箇所も登録されています。あまりイメージがないかもしれませんが、ヨーロッパ最大の旧市街が残るヴィリニュスや旧石器時代後期から中世まで連続した集落であったケルナヴェなど、幅広いジャンルの遺産があるのが魅力です!ぜひディープに楽しんでくださいね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。