モンゴル国は中国とロシアに挟まれた内陸国。今でも遊牧民は草原とともに暮らしいていて、かつての「モンゴル帝国」の本拠地であったことから、それにまつわる遺構や景観も世界遺産に登録。ところで、モンゴルには世界遺産がいくつあるでしょうか?
ここでは、モンゴルの世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
目次
ウヴス・ヌール盆地(ロシアと共同)
モンゴル北東部とロシア連邦のトゥヴァ共和国にまたがるウヴス・ヌール盆地。ここは総面積3350平方kmの塩水湖であるウヴス・ヌール湖を中心に、モンゴルには5つの保護区、ロシア側には7つの自然保護区を含めて世界遺産に登録されています。
ここは多種多様な動物が見られ、世界で最も北に位置する砂漠にはトビネズミ、山間部には絶滅危惧種のユキヒョウなどが生息しています。
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オルホン渓谷の文化的景観
モンゴルの中央部にあるオルホン渓谷は、オルホン川沿いに12万ヘクタールの土地が広がっています。ここは、先史時代から草原とともに文化が発展したという遊牧民の故郷ともいえる場所。そして、広大な遊牧民国家が築かれた後も、ここは彼らの本拠地として文化や宗教の中心地でした。
この地は6世紀頃の考古学遺跡や、12〜14世紀のモンゴル帝国の首都であったカラコラムなど、草原とともに生きた遊牧民族の歴史が繰り広げてきた場所でもあります。
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モンゴル・アルタイ山脈の岩絵群
アルタイ山脈は、モンゴルやロシア、カザフスタンにまたがる広大な山脈。ここにはツァガーン・サラー=バガ・オイゴル、上ツァガーン・ゴル、アラル・トルゴイと呼ばれる3つの岩絵遺跡があり、これらは更新生(約258万〜約1万年前)に氷河によって形成された渓谷に位置するもの。1万2000年にわたってモンゴルの文化の発展を示す貴重な岩絵でもあります。
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大山ブルカン・カルドゥンと周辺の神聖な景観
ブルカン・カルドゥンは、モンゴル語で「神の山」といったニュアンスを持つもの。ここはモンゴル北東部に広がるヘンティー山脈の中央にあり、モンゴル帝国を築いたチンギス・ハンの生誕地・埋葬地であると信じられてきました。
ここは山だけでなく、川やオボーと呼ばれる石塚なども含めて、シャーマニズムと仏教が融合した山岳信仰が見られます。
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ダウリヤの景観群(ロシアと共同)
ロシアとモンゴルにまたがるダウリアは、ダウルスキー自然保護区を含む4つの保護区から構成される遺産でもあります。ダウリアは、モンゴル東部からロシアのシベリア、中国の東北部まで広がる約100万平方kmに渡るステップ地帯を指し、タイガ(針葉樹林)から砂漠へと移行するエリアに草原にまつわる生態系が多く見られるのが特徴。
草原に関連するさまざまな生態系が生息し、マナヅル、ノガン、ゴビスキンカモメ、ハクチョウなどの絶滅危惧種の渡り鳥が訪れる場所でもあります。
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鹿石および青銅器時代の関連遺跡群
モンゴル北部のフブスグル県と中央部のアルハンガイ県には、3つの青銅器時代の遺跡があります。ここでは、ヘレクスルと呼ばれる積石塚(つみいしづか)や彫刻などが現存しますが、その中でもシンボル的存在が「鹿石」。
各地に鹿の絵柄で覆われた石柱が1200も点在しています。これは青銅器時代の遊牧民によって制作されたもので、当時この地で発展した文明の痕跡を残すもの。
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世界遺産マニアの結論と感想
モンゴル単体の世界遺産は4件だけではありますが、ロシアとの共同の遺産を含めると、文化遺産が4つ、自然遺産が2つと合計で6つの世界遺産が登録。かつてのモンゴル帝国の遺構はほとんど残っていなくて少しがっかりするかもですが…むしろ、彼らの足跡は草原などの景観に残っていて、それらが世界遺産として登録されています。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。