ロシア連邦の首都であるモスクワは、12世紀に砦が築かれてから現在に至るまで800年近くもの歴史を誇り、ここにはクレムリンを含めてロシア史に関する世界遺産が3つも登録されています。
ここでは、モスクワの世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
クレムリン/モスクワのクレムリンと赤の広場
クレムリンとは「城塞」を意味し、5つの門と29の塔がある三角形の城壁に囲まれたエリアを指します。モスクワは、クレムリンを中心に都市が建造され、発展していきました。
14世紀にはモスクワ大公ドミトリイ・ドンスコイによって城塞は石造りとなり、15世紀になるとイヴァン3世(イヴァン大帝)がより強固な城塞へと改築し、生神女就寝大聖堂(ウスペンスキー大聖堂)や聖天使首大聖堂(アルハンゲリスキー大聖堂)、生神女福音大聖堂(ブラゴヴェシチェンスキー大聖堂)、高さ82mの高さを誇るイヴァン大帝の鐘楼などを建造。現在見られるクレムリンの原型はこの時期に完成したもの。
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赤の広場/モスクワのクレムリンと赤の広場
クレムリン周辺には多くの市場が作られましたが、その中でも東側の城壁の近くにある赤の広場は、15世紀に整備されたものが起源。約7万平方kmを越える広大な広場は、市場が開かれるだけではなく、軍事パレードや罪人の処刑なども行われる場でもありました。
ロシア語で「赤い」は「美しい」という意味も含んでおり、赤の広場は「美しい広場」という意味に近いもの。
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ノヴォデヴィチ修道院の建造物群
ノヴォデヴィチ修道院は、モスクワ市内南西部にあるモスクワ川沿いに築かれた修道院。ここは1524年に当時のモスクワ大公であったヴァシーリー3世によって設立されました。12の塔を持つ堅固な城壁に囲まれているため、「ミニチュアのモスクワ・クレムリン」と呼ばれ、要塞としての機能もありました。
中央には美しいフレスコ画が描かれたスモレンスキー聖堂があり、ここで確立された芸術様式はモスクワ・バロックと呼ばれるもの。ここはロシア建築の傑作の一つで、モスクワの建築様式に大きな影響を与えました。
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コローメンスコエの主の昇天教会
モスクワの南部、モスクワ河岸沿いにあるコローメンスコエは、歴代モスクワ大公によって宮殿が建造され、17世紀のロマノフ王朝の時代になるとツァーリ(皇帝)の離宮が作られました。
ここに残る16世紀建造の主の昇天教会は、当時のロシアで流行していたギリシャ十字形の設計にもかかわらず、テント屋根というロシア固有の教会建築が見られるものです。
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世界遺産マニアの結論と感想
ロシアの首都だけあって、モスクワという街の起源であるクレムリンを含めて、4つのスポット、3つの世界遺産が登録されています。クレムリンと赤の広場は有名ですが、実はキリスト教関連の施設が2つも登録されていて、意外にも世界遺産の数としては多い街。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。