熊本県の世界遺産「天草の崎津集落」とは?世界遺産マニアが解説

登録区分文化遺産
登録基準(3)
登録年2018年

天草の崎津(さきつ)集落は「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産の一つ。ここは古くからの良港で、早くからキリスト教が布教したことから、潜伏キリスタンの伝統が見られます。ところで、天草の崎津集落はなぜ世界遺産なのでしょうか?意外と知ってそうで知らない!

ここでは天草の崎津集落がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、崎津集落について詳しくなること間違いなし!

目次

天草の崎津集落とは?

﨑津教会/天草の崎津集落
画像素材:shutterstock

崎津集落は、天草下島の南部にある羊角湾に面した集落。ここは古くから遣唐使船も寄港するほどに歴史のある港町で、16世紀になると南蛮貿易が行われ、同時にキリスト教の布教も行われました。キリスト教徒たちは江戸時代になると潜伏キリシタンとして活動を続け、各地に信仰が守られていった跡が今でも見られます。

辺境にあるため、人々は島原の乱(1637〜1638年)に参加することがなく、漁業で生計を立て、表向きは仏教徒として暮らしていました。これらはアワビなどの貝殻を信心具として使用して、大黒天や恵比寿神を唯一神デウスとして信仰を続けていたという独自の宗教伝統が見られるもの。1934年には「﨑津教会」が建立されるものの、これは世界遺産の登録範囲には含まれていません。

天草の崎津集落はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

天草の崎津集落
画像素材:shutterstock

崎津集落が評価されたのが、以下の点。

登録基準(iii)
長崎と熊本の潜伏キリシタン関連遺産は、キリスト教が禁止された17〜19世紀までの2世紀に渡って、潜伏キリスタンによって密かに続けられたキリスト教の信仰が続けられ、独自の宗教的伝統の証拠を残すという点。

世界遺産マニアの結論と感想

崎津集落は、現在は普通の港町のように見えますが、かつては潜伏キリシタンの集落で、表向きは仏教徒として暮らした跡が見られるという点で評価されています。

ちなみに、崎津集落では、正月以外でも注連縄(しめ縄)をかけている家があるのですが、これは禁教時代に潜伏キリシタンが怪しまれないようにわざとかけているという説もあるのですが、キリシタンがいない地域でも同じような伝統があったりするので、その理由は不明とか。まぁ、一年中正月気分でいたい…という人もいたのかもしれませんしね。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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