エジプトとの世界遺産「ダハシュール」とは?世界遺産マニアが解説

登録区分文化遺産
登録基準(1), (3), (6)
登録年1979年

ダハシュールは「メンフィスとその墓地遺跡-ギザからダハシュールまでのピラミッド地帯」の構成資産の一つ。ここは古王国時代から続く墓地遺跡で、世界初の真正ピラミッドである赤いピラミッドがあることで有名。ところで、ダハシュールはなぜ世界遺産なのでしょうか?

ここではダハシュールがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ダハシュールについて詳しくなること間違いなし!

目次

ダハシュールとは?

赤いピラミッド
画像素材:shutterstock

首都カイロからから南へ約40km。ここにはクフ王の父であり、第4王朝の創設者であるスネフェル王(紀元前2600年前後)のピラミッドがあります。彼はダハシュールで2つのピラミッドを建造し、それぞれ屈折ピラミッドと赤いピラミッドと呼ばれ、2つとも現在でもその姿を眺めることが可能。しかし、なぜ1人のファラオが複数のピラミッドを持っていたかは不明です。

黒のピラミッド
画像素材:shutterstock

ダハシュールには、11ものピラミッドがあったとされますが、他にも中王国時代のピラミッドも点在しているもの、残念ながらどれも崩壊。北側に残る白のピラミッドは、第12王朝のアメンエムハト2世(紀元前1929~紀元前1895年)のものではありますが、現在は瓦礫の山となっています。南に残る黒のピラミッドはアメンエムハト3世(紀元前1860年頃〜 紀元前1814年頃)のもので、侵食のため崩壊しつつありますが、日干し煉瓦と粘土で築かれていて、上部構造はなんとか残っています。

ダハシュールはどんな理由で世界遺産に登録されているの?

屈折ピラミッドと
画像素材:shutterstock

ダハシュールが評価されたのが、以下の点。

登録基準(i)
サッカーラの史上初のピラミッドや4000年以上の歴史を誇るギザの大ピラミッドなど、人類史に残るピラミッドが集まっているという点。

登録基準(iii)
ピラミッドはエジプト文明の形成にさかのぼるシンボルであり、この地に存在した王朝の権力と組織の象徴であったということ。

登録基準(vi)
メンフィスは、プタハ信仰の中心地というだけでなく、芸術などが盛んな美しい都であったということが分かるという点。

世界遺産マニアの結論と感想

ダハシュールは、実験的な屈折ピラミッドや世界初の真正ピラミッドの赤いピラミッドなど、この地に存在した古王国や中王国時代の繁栄などが分かるという点で評価されています。

ちなみに、ダハシュール北遺跡は、1995年から15回も早稲田大学のエジプト学研究所によって調査が行われてきました。中王国や新王国時代の神官などの墓が多く発掘され、中王国時代のミイラまで発見され、さまざまな社会階層の人々が埋葬されていたことから、当時の社会構造などがわかり、エジプト学に貢献しています。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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