クロアチアの世界遺産「シベニク=クニン郡の聖ニコラス要塞」とは?世界遺産マニアが解説

登録区分文化遺産
登録基準(3), (4)
登録年2017年

シベニク=クニン郡の聖ニコラス要塞は「16世紀から17世紀のヴェネツィアの防衛施設群:スタート・ダ・テッラと西スタート・ダ・マール」の構成資産の一つ。クロアチア南部のダルマチアにある海上要塞であり、32もの大砲があったという堅固な防衛施設でもあります。ところで、聖ニコラス要塞はなぜ世界遺産なのでしょうか?

ここでは聖ニコラス要塞がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、聖ニコラス要塞について詳しくなること間違なし!

目次

シベニク=クニン郡の聖ニコラス要塞とは?

シベニク=クニン郡の聖ニコラス要塞
画像素材:shutterstock

現在のヴェネツィアを本拠地とした海洋国家であったヴェネツィア共和国(697〜1797年)。イタリアだけでなく、地中海各地に領土を持っていましたが、世界遺産としては、現在のイタリア、クロアチア、モンテネグロ各地の防衛施設が登録されています。これらはヴェネツィア共和国の権力と拡大を示すもの。

クロアチア南部のダルマチア地方の港町シベニク。ここは15世紀からヴェネツィア共和国に支配されるとこの地方の首都となり、街中には3つの要塞が築かれ、さらに街の手前の海峡にある島に築かれたのが聖ニコラス要塞。ここには32門もの大砲を装備していた要塞であり、その後は何度も再利用されるほど。現在は観光地として開放されていて、近くにある半島から続く遊歩道から入ることが可能です。

シベニク=クニン郡の聖ニコラス要塞はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

聖ニコラス要塞が評価されたのが、以下の点。

登録基準(iii)
ヴェネツィアの防衛施設群は、共和国内で16〜17世紀にかけて発展し、近代化されたもので、スタート・ダ・テッラと西スタート・ダ・マールに残る防衛施設は、軍事施設というだけでなく、都市としての構造を持ち、ヴェネツィア湾付近からアドリア海まで広がっていたという点。

登録基準(iv)
ヴェネツィアの防衛施設群は、銃器を使用することが多くなった時代に構築された近代的な防衛施設で、スタート・ダ・テッラと西スタート・ダ・マールには技術や戦略、戦闘法、新たな建築要素を含み、近代的な防衛システムを確立していったということ。

世界遺産マニアの結論と感想

シベニクの近海には、スタート・ダ・マールの防衛施設が残っていて、当時の近代的な防衛システムが見られるという点で評価されています。

ちなみに、シベニクの街中にある「聖ヤコブ大聖堂」も世界遺産に登録されています。現代のシベニクは小さな街であるにもかかわらず、かつては重要な都市であり、歴史的な建造物が多く残っています。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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