ポルトガルの絶景というと、ユーラシア大陸西端のロカ岬のイメージがありますね。ポルトガルの遺産は美しくはあるのですが、その中でも「絶景」が満喫できる遺産はどんなものでしょうか?
ここでは、絶景が楽しめるポルトガルの世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
ベレンの塔
リスボンの中心部から西に位置するベレン地区。正式名称は「サン・ヴィセンテの塔」で、サン・ヴィセンテはリスボンの守護聖人。これはテージョ川河口に1515〜1521年に築かれた5階建ての塔です。建設を命じたのはこちらもマヌエル1世でこれもヴァスコ・ダ・ガマの偉業を称えたもの。
目的としては灯台ではありますが、要塞としての機能も持っていました。建築家フランシスコ・デ・アルダによって設計され、マヌエル様式ではあるものの、監視塔の屋根にはイスラム建築を取り入れたムデハル様式も見られます。
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シントラの文化的景観
シントラはイベリア半島の最西端に位置するエリアで、ここは丘陵地帯に森林に覆われた花崗岩の小高い山々が続いています。
丘の上に位置するペーナ宮殿は、もともと18世紀の地震で廃墟となった修道院があり、19世紀に当時王配であったフェルディナンド2世によって宮殿に改装されたもの。フェルディナンド2世はゴシック様式やルネサンス様式、イスラム様式などさまざまな要素が入ったユニークな宮殿に仕上げ、中世の世界を理想としたロマン主義の代表作となったもの。宮殿内は贅を尽くした様式で、漆喰の細工やだまし絵の壁など、ユニークな建造物が続いています。
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ポルト歴史地区、ルイス1世橋およびセラ・ド・ピラール修道院
ドウロ川の河口に位置するポルトは、ローマ帝国時代のポルトゥス(港)・カレに起源を持つ都市。紀元前8世紀には既にドウロ川沿いには人が住んでいたとされていますが、やがて「ポルト」と呼ばれるになり、5世紀になると交易の中心地となりました。
丘の上に建つポルト大聖堂を代表にポルトガルらしい美しい建築物が並びます。19世紀後半に建造されたルイス1世橋なども残り、ポルトは絶え間なく発展を続けてきた港町でもありました。
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国境防衛都市エルヴァスとその要塞群
スペインとの国境沿いにあるポルタレグレ県。エルヴァスは、ポルトガルの首都リスボンとスペインの首都マドリッドの間の検問所を守る都市でした。
ここは17世紀から19世紀にかけて建設された、世界最大級の空堀と稜堡を活用した防衛都市。塁壁に囲まれた町の中には、兵舎や軍事施設、教会、修道院などがあります。そして、長い籠城戦に耐えられるように造られたアモレイラの水道橋なども含めて世界遺産として登録。
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マフラの王家の建物‐宮殿、バシリカ、修道院、セルク庭園、狩猟公園(タパダ)
ポルトガル西海岸のリスボン県にあるマフラは、ポルトガル帝国でも絶対王政を敷いた国王ジョアン5世(1689〜1750年)によって建造された豪華な建造物群があります。
これらは王と王妃の宮殿、バロック様式のバシリカ、フランシスコ派の修道院、3万6000もの蔵書を誇る図書館で構成されていて、建造物の幾何学的な配置にセルコ庭園と狩猟公園が加えられています。
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ブラガのボン・ジェズス・ド・モンテ聖域
ポルトガル北部のブラガの町を見下ろすエスピーニョ山。ここの斜面にはキリスト教の聖地エルサレムをイメージした聖山(サクロ・モンテ)という聖域があります。
ここは2つのエリアで構成されていて、山の西斜面に折り重なるバロック様式の階段は、イエス・キリストが十字架を背負ってゴルゴダの丘へ向かった場面を再現した「十字架の道」、最も高い位置にある「ボン・ジェズス教会」はキリストの受難をモチーフにした彫像があります。
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アルト・ドウロ・ワイン生産地域
イベリア半島北部を流れるドウロ川は、スペイン中央部のソリア県が水源で、ポルトガル北部を経由してポルト港まで流れ出るという全長897kmの国際河川。アウト・ドウロ地方はドウロ川によって形成された急勾配の段々畑が続く地で、夏は暑く、冬は寒冷で降水量も少ないということから、ワイン造りに適しています。
18世紀以降にこの地域から多く出回ったポートワインは世界的に有名となりました。
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世界遺産マニアの結論と感想
ポルトガルの世界遺産はどれも貴重な遺産ばかりですが、その中でも世界でも滅多に見られない絶景をピックアップ。しかし、これはほんの一部…。まだまだ絶景は続くので、ぜひ自分のお気に入りの遺産を探してみてくださいね!
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。