登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1), (4) |
登録年 | 2021年 |
チャンキーヨはペルーの北西海岸沿いにある沿岸砂丘に紀元前3世紀頃に築かれた建造物群。丘の上に沿って13の塔が並んでおり、ここは天文台として利用されたものとされていて、太陽が塔から昇る位置で正確な日付を計測していたと考えられています。
ここではチャンキーヨの天文考古学遺産群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、チャンキーヨついて詳しくなること間違いなし!
チャンキーヨの天文考古学遺産群とは?
ペルー北西部にあるアンカシュ県。カスマ・セチン盆地にある沿岸砂丘の遺跡はチャンキーヨと呼ばれていて、ここには要塞や13基の塔、観測所が残っています。13基の塔は南北に並べられていて、その両端には観測所があり、1年を通じて太陽がどの塔から昇るかを地平線を観測し、太陽周期から暦を数えていました。
この古代の天文台は、観測所から塔の昇る太陽を計測して、夏至と冬至の位置が観測できるため、これにより日数を記録していたと考えられています。これは現在の太陽暦なら1〜2日しかずれていなかったというほど正確なものでした。
しかし、チャンキーヨは紀元前250〜200年の間だけ使用され、それ以降は破壊されてしまい、20世紀までは何の施設か不明なまた遺跡になりました。その後、探検家トール・ヘイエルダールがこの場所が天文学と関連性が見られると唱えたものの、天文台と認定されたのは21世紀になってから。
チャンキーヨの天文考古学遺産群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
チャンキーヨが評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
チャンキーヨは、2つの異なる観測点から太陽の位置を観測するという古代の天文台的な存在で、一年をほぼ正確に計測することができる人類の発明品であるという点。
登録基準(iv)
チャンキーヨは、ペルーの先史時代の中でも比較的短い期間に使用された、アメリカ大陸の天文学において最も初期の段階を示す天文台であったということ。
世界遺産マニアの結論と感想
チャンキーヨは、自然の地形を利用して、塔から太陽が昇る位置でその周期を計測するという古代の天文台施設で、これはアメリカの天文学のルーツ的存在であるという点で評価されています。
ちなみに、南アメリカ大陸の天文台の最古とされるのは、チャンキーヨではありますが、天体観測は紀元前3000年前から存在したというのが一般的。実は紀元前2500年頃に建造されたというクフ王のピラミッドも天体観測を行い、正確な測量をして建造したとされています。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。