登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7),(10) |
登録年 | 1988年 |
南太平洋に位置するヘンダーソン島は、絶海の孤島であるため、人間による影響を受けていないという数少ない珊瑚島です。この島の被子植物は10種も固有種で、陸鳥4種はすべて固有種というほどに、独自に進化した生物が多く見られるのが特徴。
ここではヘンダーソン島がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ヘンダーソン島について詳しくなること間違いなし!
ヘンダーソン島とは?
南太平洋のポリネシア東部にあるピトケアン諸島は5つの島で構成されていて、現在はイギリス領となっています。その中でも最大の島はヘンダーソン島で、ここは総面積37平方kmの環状珊瑚礁の無人島。淡水もほとんどなく、平地もほぼないという天然の要塞のような島です。
ここは17世紀にスペイン人航海士デ・キロスによって発見されたものの、18世紀以降は無人島となったため、現在でも島の自然は手付かずのまま。そして、哺乳類は存在しないため、陸鳥が独自に進化し、ヘンダーソン・クイナ、ムネムラサキインコ、ヘンダーソン・フルーツハト、ヘンダーソン・ウグイスといった4種の固有種が存在。そして、被子植物は51種中10種も固有種で、島の大きさの割に優れた生物多様性が見られます。しかし、島にはプラスチックゴミが漂着することで環境破壊に繋がっていることが問題になっているのが現状。
ヘンダーソン島はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ヘンダーソン島が評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
ヘンダーソン島は、世界でも有数の石灰岩で大きく構成される島で、海鳥が多く訪れ、森林に覆われているという珊瑚島の顕著な例であるということ。
登録基準(x)
島で生息している固有種の4種の鳥は、絶滅したと考えられるほどに貴重なもので、植物相も固有種が多く、まだまだ固有種が発見される可能性が高いという点。
世界遺産マニアの結論と感想
絶海の孤島でもあるヘンダーソンは珊瑚島で、ここは哺乳類がいないため、独自に進化した固有種の生息地となっていて、まだまだ固有種が発見されるポテンシャルを秘めているという点で評価。
ヘンダーソンクイナは鳥なのに飛ぶことができないという非常にレアな絶滅危惧種。しかし、クイナ系は哺乳類が天敵で、ヘンダーソンクイナも人がもたらしたネズミによって徐々に減少してきています。ドードーなど飛べない鳥ほど絶滅しやすいというのは、グローバル化による弊害なんでしょうか…。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。