アルゼンチンの世界遺産「クルチェット邸」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(1), (2), (6)
登録年2016年

クルチェット邸は「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-」の構成資産の一つ。南米で唯一のコルビュジエ設計した建築物で、南米の気候に合わせ住宅と診療所を併設した独特の建造物。ところで、クルチェット邸はなぜ世界遺産なのでしょうか?

ここではクルチェット邸がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、クルチェット邸について詳しくなること間違いなし!

目次

クルチェット邸とは?

クルチェット邸
画像素材:Roberto Fiadone(Wikimedeia Commmons)

首都ブエノスアイレスの南東約50kmの位置にある都市ラプラタにある邸宅。南米で唯一のコルビュジェの建築物で、外科医のペドロ・ドミンゴ・クルチェットの依頼によって1949年に設計されたもの。彼はこの地を訪れることはなく、建設はアルゼンチンの建築家によって引き継がれました。1階には診療所が置かれています。

アルゼンチンの気候に合わせて「日除け格子」を工夫し、建物をU字にするという地元の建築様式を取り入れていました。とはいえ、コルビュジエらしくピロティも使用され、内部から空間が広がるように設計されています。中庭には上階まで届く樹木が置かれているのが特徴。

クルチェット邸はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

クルチェット邸
画像素材:Danielsantiago9128(Wikimedeia Commmons)

クルチェット邸が評価されたのが、以下の点。

登録基準(i)
ル・コルビュジエの建築作品は、人類の想像的才能を示す傑作であり、20世紀の建築や社会における課題を解決するものであったということ。

登録基準(ii)
ル・コルビュジエの建築作品は、近代建築の誕生と発展に深く関係し、半世紀以上に渡って、4つの大陸の建築に前例のない影響を与えていて、世界規模での人間の価値交換を示すものであるという点。

登録基準(vi)
ル・コルビュジエの建築作品は、「近代建築」に直接関連していて、20世紀にその理念と作品が重要性を持ち、これらは建築や絵画、彫刻などと融合を示し、半世紀に渡って世界で広まった「新しい建築様式」を表したものであったということ。

世界遺産マニアの結論と感想

クルチェット邸は、コルビュジエの近代建築の五原則が見られる建造物で、彼の建築の概念が南米にまで影響を与えた証拠であるという点で評価されています。

ちなみに、クルチェット邸は南米で唯一のコルビュジエ建築でありますが、北米にもコルビュジエが設計した「カーペンター視覚芸術センター」があり、北米唯一のコルビュジエ建築であるものの、これは世界遺産には登録されていません。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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