登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1), (2), (4), (6) |
登録年 | 1993年 |
法隆寺・五重塔は「法隆寺地域の仏教建造物」の構成資産の一つ。西院伽藍の中央部にある五重塔は、世界最古の木造の五重塔であることで有名です。ところで、五重塔はなぜ世界遺産なのでしょうか?意外と知ってそうで知らない!
ここでは法隆寺・五重塔がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、五重塔について詳しくなること間違いなし!
法隆寺・五重塔とは?
その高さは?世界最古の「木造五重塔」
法隆寺の西院伽藍は、聖徳太子が建造した若草伽藍があった場所。中央部にある五重塔は、奈良時代の711年に塔に塑像が置かれたと記録があるので、おそらくはそれ以前には塔が完成したとされることから、日本だけではなく、世界において最古の木造五重塔でもあります。高さは32.55m。
塔の構造は?現在の内部には何がある?
釈迦の遺骨を納めたストゥーパ(仏舎利塔)をルーツに持つもの。建物は柱と梁の接合部を強くする「雲形組物」が使用されていて、これは仏教とともに日本へ伝わった建築美術。遠くから見ると初層と五層の屋根の大きさは同じように見えますが、五層の屋根の一辺は初重の屋根の約半分というのが特徴です。初重内陣には80点もの塑像があり、これはすべて国宝。
法隆寺・五重塔はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
五重塔が評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
世界最古の木造建築であり、設計と装飾においても傑作であるという点。
登録基準(ii)
日本でも初期の仏教建築であり、その後の寺院建築に大きな影響を与えているということ。
登録基準(iv)
法隆寺は中国から渡来した仏教建築が日本の文化に適応して、日本独自の建築様式を発展させていったことを示すという点。
登録基準(vi)
聖徳太子による仏教の奨励は、日本における宗教史において重要な段階であったということ。
世界遺産マニアの結論と感想
法隆寺の五重塔は、世界最古の木造の五重塔であり、後の奈良や京都に築かれる五重塔など、寺院建築に影響を与えているという点で評価されています。
ちなみに、1926年に五重塔の地中から釈迦の骨とされる仏舎利を納める舎利容器が発見されました。一応、五重塔の原点はストゥーパなので、初期からその役割があったということが証明されたもの。これらは調査後にもとの場所に奉納されています。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。