スペインの世界遺産「トレド大聖堂」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(1),(2),(3),(4)
登録年1986年

トレド大聖堂は「古都トレド」の構成資産の一つ。カスティーリャ王国時代(1035〜1715年)の大聖堂ではあるものの、イスラム様式なども混じったスペイン独自の建築物となっています。ところで、トレド大聖堂はなぜ世界遺産なのでしょうか?

ここではトレド大聖堂がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、トレド大聖堂について詳しくなること間違いなし!

目次

トレド大聖堂とは?

トレド大聖堂
画像素材:shutterstock

13世紀にレコンキスタを進めた、カスティーリャ王フェルナンド3世(1201〜1252年)によって建築が進められ、15世紀に完成したゴシック様式の大聖堂。現在はトレド大司教座が置かれていて、スペイン国内のカトリック教の総本山となっています。

中央礼拝堂にある黄金の主祭壇は『新約聖書』におけるイエス・キリストの生涯の20の場面を綴っています。裏側にはスペイン・バロックの傑作と称される「トランスパレンテ」とよばれる彫刻装飾があることでも有名。ここは天井から光が差し込み、神々しい雰囲気が漂っています。

聖職者の間/トレド大聖堂
画像素材:shutterstock

大聖堂はゴシック建築ではありますが、イスラム建築の要素が入ったムデハル様式が見られます。「聖職者の間」には、ルネサンスの画家フアン・デ・ボルゴーニャ(1470〜1536年)による歴代の聖職者に聖母マリアの生涯、イエス・キリストの受難の場面などが描かれていて、スペインにおける壁画の傑作の一つ。

トレド大聖堂はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

黄金の主祭壇/トレド大聖堂
画像素材:shutterstock

トレド大聖堂が評価されたのが、以下の点。

登録基準(i)
トレドの建造物は、イスラム教、ユダヤ教、キリスト教、それぞれの文化が融合し、独特の建築物が残るという点。

登録基準(ii)
ローマ帝国、イスラム勢力、カスティーリャ王国などに支配されることによって、さまざまな文化が取り入れられてきたということ。

登録基準(iii)
トレドの町は、ローマ時代、イスラム時代、キリスト教時代などの建築物が残り、さまざまな支配者を経て現在に至っているという点。

登録基準(iV)
旧市街に残る建造物は、この場所がさまざまな支配者によって統治されることで、その度に改築・再利用されてきたということ。

世界遺産マニアの結論と感想

トレド大聖堂は、かつてイスラム勢力に支配された時期もあり、その建築様式が見られ、独自の建造物となっているという点で評価されています。

ちなみに、フェルナンド3世はレコンキスタを事実上完成させたというほどの人物ではあるものの、イスラム教徒たちの都市を降伏させる際はほとんどの場合、住民を殺害さずに追放させ、ユダヤ教徒に対しても寛容だったことから「三宗教の王」と自称していました。まさに多民族の国家であるスペインという国のルーツとなる人物でもありますね。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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