登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7),(8) |
登録年 | 1995年 |
アメリカ南西部にあるニューメキシコ州にあるカルスト地形には、カールズバッド洞窟を始め、80以上もの洞窟が確認されています。洞窟の内部には石筍や石柱が多く見られ、世界最大規模の空洞である「ビッグルーム」があることでも有名。
ここではカールズバッド洞窟群国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、カールズバッド洞窟群国立公園について詳しくなること間違いなし!
カールズバッド洞窟群国立公園とは?
ニューメキシコ州エディ郡にあるグアダルーペ山脈。ここは地下に存在するカールズバッド洞窟を中心とした80以上もの洞窟が点在する国立公園となっていて、鍾乳石や石筍、石柱などが織りなす景観は、世界でも有数の美しさを誇ります。特にレチュギア洞窟は、世界で第5位の長さで、最深部は地下約489mとアメリカ最深の洞窟となっているのが特徴。
洞窟はペルム紀(約2億9900万年〜2億5100万年前)に形成されたというほどに古く、この地域はかつて海だった場所。徐々に周囲の陸地が隆起してここだけが閉じ込められていき、石灰岩が地表に出ると、雨水によって石灰岩が溶け、地下に空間が誕生しました。地下では、石灰生成物として石筍や石柱などが徐々に形成されていったのです。
ここはさまざまな洞窟の形状が見られるというのが特徴で、高さが80mもの広さを誇る「ビッグルーム」は、カールズバッド洞窟群でも最大で、なんとサッカー場が14面も入るというほどに広大。
カールズバッド洞窟群国立公園はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
カールズバッド洞窟群国立公園が評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
カールズバッド洞窟を中心とした国立公園の地下には、石筍や石柱が織りなす世界が広がっていて、特にレチュギア洞窟にはシャンデリアと呼ばれるユニークな景観が見られるのが特徴であるという点。
登録基準(viii)
カールズバッド洞窟群国立公園は、地下に水が流れることによって、方解石やあられ石、硫酸カルシウムなどで構成された石灰生成物が見られ、希少な鍾乳石が形成されるという世界でも数少ない場所の一つで、地質学の研究の対象となっているということ。
世界遺産マニアの結論と感想
カールズバッド洞窟群国立公園は、鍾乳石による美しい景観が見られるという点で貴重でもありますが、ここは世界でも希少な鍾乳石が見られるという点で地質学的にも価値が高いという点でも評価されています。
ちなみに、カールズバッド洞窟は、もともとは「コウモリの洞窟」という名前で知られていたのですが、カールズバッド市が鉱泉で有名だったため、チェコにある「カールスバート」、またの名はカルロヴィ・ヴァリ(カールの温泉)という意味の町の名にちなんだとのこと。となると、カールズバッドの「バッド」はコウモリの「バッド」ではなく、「温泉」ということになりますが…しかし、コウモリは今でも住んでいるから、なんとなく、ややこしいですね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。