登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7),(9),(10) |
登録年 | 1984年 |
ネパール南部にあり、インドとの国境沿いにあるチトワン国立公園は、タライ平原にある自然保護区。ヒマラヤ山脈の麓にあり、動植物が多く生息することで知られます。ここは絶滅危惧種のベンガルトラやインドサイなども保護されていることでも有名。
ここではチトワン国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、チトワン国立公園について詳しくなること間違いなし!
チトワン国立公園とは?
ナラヤニ県チトワン郡に位置するチトワン国立公園は、山間に開けたタライ平原の一部を保護する目的で設置された公園です。ネパールというと高地のイメージがありますが、ここは標高50〜200mほどの位置にある亜熱帯気候。ヒマラヤ山脈の麓にあり、草原の中に森林が広がっています。しかし、1950年代からマラリア撲滅のために農薬が散布され、野生動物が激減。1973年に自然破壊を止めるため、ネパール初の国立公園として登録されました。
公園内には絶滅危惧種であるベンガルトラやインドサイ、ヒョウなども保護されて、野鳥の種類は500種と世界で最も多くの種の鳥類が生息する地ともされています。そして、旅行者がサファリを手軽に楽しめる観光地として知られ、ゾウの背中に乗るジャングルサファリは特に有名。
チトワン国立公園はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
チトワン国立公園が評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
ヒマラヤ山脈の麓に森林と草原に囲まれた緑豊かな公園は、ネパールの低地側の中でも魅力的な観光地となっているという点。
登録基準(ix)
公園内では、テライ平原とシワリク丘陵などに生息する固有の動植物が見られ、これらは独自の生態系であり、生物進化の過程も見られるということ。
登録基準(x)
公園内は、絶滅危惧種のベンガルトラとインドサイの保護区であり、豊かな生態系が保護されていて、特に鳥類が密集するという生物多様性のホットスポットでもあるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
チトワン国立公園は、ヒマラヤ山脈というネパールのイメージとは異なる、草原と森林に囲まれた豊かな土地に、独自の生態系が見られ、絶滅危惧種のベンガルトラとインドサイが生息するという点で評価されています。
タライ平原には、タルー族という少数民族が住んでいて、ちょっとユニークな文化があるのです。彼らの住居には「ダイリ」と呼ばれる、大型の壺が部屋の仕切りに使用されていることで有名。壺は貯蔵という側面もありますが、実は壺を壁にすることで部屋の中の通気性を高めるという効果もあるとされています。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。