登録区分 | 複合遺産 |
登録基準 | (5),(7) |
登録年 | 1989年 |
マリ中央部にあるバンディアガラ高原は、古くからドゴン族という部族が暮らす地。断崖は、仮面や儀式などを行う先祖崇拝の伝統が残っていて、集落ではアンマという神が信仰されています。そして、トグナと呼ばれる集会所には彼らの始祖の柱が置かれているという独特な文化が残るのが特徴。
ここではバンディアガラの断崖(ドゴン族の土地)がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、バンディアガラの断崖について詳しくなること間違いなし!
バンディアガラの断崖(ドゴン族の土地)とは?
マリ中央部のニジェール川沿いに位置するバンディアガラの断崖は4000平方kmの広大なエリアが登録されていて、断崖だけでなく、台地や平原、289の村が含まれています。この地は旧石器時代から人々が住んできた土地でしたが、15世紀頃に奴隷狩りなどの侵略者から逃れるため、ドゴン族という民族がこの地に住み着き、今でも約25万人の人々が伝統的な暮らしを維持しつつ暮らしています。
ドゴン族の村は多くの穀物倉庫で構成されていて、尖った茅葺き屋根が独特。そして、2階建ての住宅は窓はないものの、よく男女のキャラクターをモチーフにした彫刻が設置される傾向にあり、木製の棒を屋根の下に差し込むという構造となっています。
人々はアンマと呼ばれる神を信仰していて、村のトグナという集会所では彼らの始祖を象った8本の柱が置かれています。彼らはキリスト教やイスラム教に影響されることがなく、暮らし続けてきたものの、18世紀以降は観光やグローバリゼーションによって伝統的な暮らしにも近代化の波が訪れていて、そういった点で遺産が危機にさらされているという傾向に。
バンディアガラの断崖(ドゴン族の土地)はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
バンディアガラの断崖が評価されたのが、以下の点。
登録基準(v)
ドゴン族の居住区は、断崖が多いエリアという厳しい環境の中に位置しながら、自然と調和しながら伝統的な信仰を表した例であるものの、グローバル化によって遺産が危機にさらされているという点。
登録基準(vii)
浸食作用によって崖と岩が並ぶという西アフリカ独特の景観で構成されていて、ここにはドゴン族が薬草として使用する固有植物などが見られるものの、干ばつや伐採によって徐々に減ってきています。そして、ドゴン族が神聖視してきたオグロスナギツネやジャッカル、クロコダイルなども生息しているということ。
世界遺産マニアの結論と感想
バンディアガラの断崖は、荒野に住むドゴン族によって彼ら独自の信仰を守りながら暮らしが続けられ、薬草や彼らが神聖視する動物なども見られるという点で評価されています。
ドゴン族には仮面をかぶって舞踏や祈祷を行うことで有名な部族で、先祖を称えたり、氏族のトーテムを祀ることで有名です。そして、最も壮大なイベントは祖先の霊力を持つという蛇の大仮面を奉納するという「シギの祭り」で、なんと60年に一度しか行われないという非常にレアなイベント。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。