登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (2), (4), (6) |
登録年 | 2013年 |
ポルトガル中部にある古都コインブラは、かつてはポルトガル王国の首都として、王宮も置かれていました。ここは7世紀以上に渡って大学とともに発展したというのが特徴。街は大学があるアルタ地区と、12世紀に建造されたサンタ・クルース修道院などがある下町のソフィア地区に分かれています。
ここでは、コインブラ大学-アルタとソフィアがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、コインブラについて詳しくなること間違いなし!
コインブラ大学-アルタとソフィアとは?
コインブラはポルトガル中部にある大学都市。1290年に設立のコインブラ大学はヨーロッパでも歴史の深い大学の一つ。もともとは旧市街の丘の上のアルタ地区に学校が置かれていたのですが、何度か転々し、1537年にアルカソヴァの王宮に大学が移されると、大学都市として発展していきました。この時期の大学はイエズス会が経営しており、キリスト教の大学としてポルトガルの芸術や文化の中心となりました。
アルタ地区
旧市街の東側、丘の上に位置する大学があるエリア。1537年にアルカソヴァの王宮に大学が移されると、現在でも見られる「旧大学」が形成されました。アルカソヴァ宮殿はコインブラに王宮が置かれていて時代に使用されていた宮殿で、大学は宮殿を改装して使用。内部はルネサンス様式やポルトガル独自のマヌエル様式など、さまざまな建築様式が見られます。
他にも壮麗な外観のサンミゲル礼拝堂やバロック様式の玄関を持つジョアニア図書館など、美しい建築物が並ぶ地区。
ソフィア地区
旧市街の西側、下町に位置するエリア。ソフィア通り沿いに位置しており、12世紀建造のサンタ・クルース修道院などで有名。こちらは「マヌエル様式」という言葉の語源ともなったマヌエル1世によって大幅に改築され、ルネサンス様式とマヌエル様式の両方が調和する内装に。この地区にはコレジオ(カレッジ)はないですが、現在でも大学関連設備が点在しています。
コインブラ大学-アルタとソフィアはどんな理由で世界遺産に登録されているの?
コインブラが評価されたのが、以下の点。
登録基準(ii)
大学はさまざまな分野の研究を7世紀以上に渡って続けたことにより、旧ポルトガル帝国内にあった各教育機関に大いに影響を与えていたという点。
登録基準(iv)
コインブラは大学と都市の機能を統合したもので、相互作用を示しているということ。
登録基準(vi)
大学は、文学や思想などポルトガルを母語とする国々の教育機関に対して大きな役割を果たしてきたということ。
世界遺産マニアの結論と感想
コインブラは、大学と都市の機能を上手に組み合わせた大学都市としてのモデルということだけではなく、ポルトガルの植民地においても教育を通じて大きな役割を果たしてきたという点で評価されています。
ちなみに、コインブラという名前のボードゲームもあり、これは大航海時代の投資をテーマにしたもの。なんとなく、この時代の都市運営が掴めるので、興味ある方はぜひ。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。