登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7), (8) |
登録年 | 1987年 |
カナダ東部にあるニューファンドランド島には、巨大なテーブルマウンテンが並ぶエリアが広がっています。これは地球のマントルが地表に表れて形成されたもの。さらに氷河によってフィヨルドが形成され、崖や湖、滝など、迫力のある景観が続いています。
ここではグロス・モーン国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、グロス・モーン国立公園について詳しくなること間違いなし!
グロス・モーン国立公園とは?
ニューファンドランド島の西端に位置する1805平方kmもの広大な国立公園で、名前は標高806mのグロス・モーン山(フランス語で「孤立した大きな山」)から由来しています。ここはプレートテクトニクス(大陸間のプレートが移動すること)が見られる世界でも珍しい場所。約6億年ほど前から海洋の地殻変動が発生したことから、地球内部のマントルに存在していた岩石が地表にそのまま露出し、それからテーブルマウンテンが連なる景観が生まれました。
ここは多くの金属を含んでいるので、地衣類しか育たないという不毛の大地となっています。海岸沿いには2万5000年前から1万年前にかけて氷河期に形成されたフィヨルドが広がっていて、1万年前から氷が溶けたことにより、一部は広大な淡水湖として残り、巨大な滝などが続く壮大な景観が見られるのが特徴。
グロス・モーン国立公園はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
グロス・モーン国立公園が評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
グロス・モーン国立公園では、不毛の大地にフィヨルドと岬などで構成され、並外れた自然の景観を誇るエリアであるという点。
登録基準(viii)
グロス・モーン国立公園の岩石は、北アメリカにおけるプレートテクトニクスと地殻変動に関する重要な過程が見られ、フィヨルドは氷河による影響が残り、地質学的特徴が多いという点。
世界遺産マニアの結論と感想
グロス・モーン国立公園に残るテーブルマウンテンは、かつてこの地でプレートが移動し、地殻変動が発生したことで形成されたもので、その過程が見られるという点で評価されています。そして、フィヨルドなど、氷河によって浸食されたことでさまざまな影響が見られる大地が広がるというのもポイント。
ちなみに、テーブルマウンテンというとベネズエラの「カナイマ国立公園」で有名ですが、あちらは大地が雨で削り取られたタイプで、こちらとはまた違ったタイプのテーブルマウンテンです。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。