登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (9), (10) |
登録年 | 1999年 |
北大西洋に浮かぶポルトガル領の小さな島。ここは「ラウリシルヴァ」と呼ばれる照葉樹林があり、これらは氷河期以前の第三紀(6500万〜170万年前)からそのままの姿を残すもの。カタツムリなど多数の無脊椎動物や76もの維管束動物が見られ、島の固有種も生息しています。
ここではマデイラ島の照葉樹林がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、マデイラ島の照葉樹林について詳しくなること間違いなし!
マデイラ島の照葉樹林とは?
マデイラ島は北大西洋にあるマカロネシアを構成する一つの島で、ここはポルトガルの首都リスポンから南西へ約1000kmの位置にあります。島は照葉樹林で囲まれていて、標高600〜1300mの中央部〜北部を中心に約150平方kmの敷地が世界遺産に登録。照葉樹林は、氷河期以前の第三紀(6500万〜170万年前)からそのままの姿を残し、大陸ではほぼ残っていない照葉樹林が残るということで、氷河期以前の植物分布が見られます。
ここは固有種を含め、76もの維管束動物や多数の無脊椎動物、島の固有種であるマデイラバトなども見られ、照葉樹林は生物多様性を維持するのに重要な環境でもありました。
マデイラ島の照葉樹林はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
マデイラ島の照葉樹林が評価されたのが、以下の点。
登録基準(ix)
マデイラ島の照葉樹林は、かつて4000万〜1500万年前に南ヨーロッパを広く覆っていた照葉樹林が残る地であり、島の中央部から東西にまたがる峡谷まで広がり、ここは常緑樹と低木で構成され、生物学や生態学の進化がほとんど乱れず、維持されてきたということ。
登録基準(x)
マデイラ島の照葉樹林は、クスノキ科に属する固有種などを含み、低地はシダ科や苔類が覆っていて、絶滅危惧種も生息するほど。動物はマデイラ固有のコウモリ、ハトやキクイタダキ、ズアオアトリなどの鳥類、昆虫やクモ類、軟体動物など無脊椎動物の固有種は500種以上も生息しているという点。
世界遺産マニアの結論と感想
かつて北大西洋岸を覆っていた照葉樹林は現在、大陸ではほとんど見られないものの、マデイラ島ではそのまま森が残されています。生態系も維持されていて、マデイラ固有種だけでなく、絶滅危惧種も存在しているという点。
マデイラ島というと、最も有名なのがサッカー選手のクリスティアーノ・ロナウド。主都フンシャルでは、彼の銅像まで建つほど。ちなみに、彼の経営するホテル「CR7」も島にはあり、マデイラ島で最も成功した人物でもありますね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。