登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (8) |
登録年 | 2016年 |
ミステイクン・ポイントは、カナダ東部のニューファンドランド島の南東部に位置する化石の産地。ここでは17kmの長さの海食崖に、エディアカラ紀(約6億2000万〜5億4000万年前)の化石が発掘されました。これらは地球における生命の進化の分岐点を示していて、30億年の時間をかけて生命が細菌クラスから臓器を持つ大型の生命体となった最初の段階が見られるという点で貴重なもの。
ここではミステイクン・ポイントがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ミステイクン・ポイントについて詳しくなること間違いなし!
ミステイクン・ポイントとは?
ニューファンドランド島の南東部に位置するアバロン半島のさらに南東端にある生態系保護区。「ミステイクン・ポイント(誤りの場所)」は霧の多い地域であったため、周囲を航海していた船がここを岬の港と勘違いしてぶつかってしまったことが名前の由来。ここは17kmもの岩肌が露出した海食崖が続き、原生代の後期であるエディアカラ紀中期(5億8000万〜5億6000万年前)の地層が見られ、1万を超える化石が発見されました。
エディアカラ紀の生物は、地球上の生命が大きく進化した時期で、最古の多細胞動物が登場し、これらは現在の世界に生息する動物において最も古い祖先の一つでもあります。もともとは深海の底に生息していたのですが、火山灰によって保存され、やがて侵食によって地表に露出し、1967年に発見されました。これらは肉眼で確認できるという点において、生物の化石としては最古のもので、エディアカラ紀の生物は複雑な臓器を持つ生命の初期段階であるという点で非常に貴重なもの。
ミステイクン・ポイントはどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ミステイクン・ポイントが評価されたのが、以下の点。
登録基準(viii)
ミステイクン・ポイントで発見された化石は、微生物だった地球の生命が30億年の時間をかけて複雑な臓器を持つ大きな生物へと進化するきっかけを証明するもの。これらは世界で最も古い多細胞の生命体で、現在のほとんどの動物のルーツ的存在であるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
遺産としては、海食崖だけではあるものの、ここで発見した化石は、生物が多細胞の生命体へと進化を遂げたというエディアカラ期の化石であり、これは現在の複雑に進化した動物たちのルーツ的な存在として評価されています。
ちなみに、アヴァロン半島のアヴァロンは、17世紀に英国出身の人々によって植民した土地。アヴァロンとはアーサー王伝説で彼がキリスト教徒となった場所であることから、本土で迫害を受けていたキリスト教徒たちの避難する場所とする予定でした。しかし、ここは冬は嵐が強く、寒冷地であったことから、人が住むには不向きで、やがて移民地の中心は南方のアメリカ合衆国へと移っていったのです。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。