インドの世界遺産「モイダムス–アホム王朝の墳墓埋葬システム」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(3), (4)
登録年2024年

インド北東部のチャライデオは、かつてアッサム地方に存在したアホム王朝(1226〜1826年)の最初期の首都であった場所。ここにはモイダムと呼ばれる古墳のような墳墓が築かれました。かつて王族は埋葬され、アホム族独自の埋葬風景が今でも見られます。

ここではモイダムス–アホム王朝の墳墓埋葬システムがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、モイダムスについて詳しくなること間違いなし!

目次

モイダムス–アホム王朝の墳墓埋葬システムとは?

モイダムス
画像素材:Mozzworld(Wikimedeia Commmons)

インド北東部のアッサム州には、13世紀に現在の中国・雲南省から移住したアホム族(タイ系シャン族)によって築かれたアホム王朝が存在した地。彼らはここに「山の上のまばゆい都市」を意味するチャライデオを建設し、その後、首都は移転するものの、ここは王族の儀式が行われる神聖な場所でした。

「モイダム」とは、王族の墳墓であり、アーチ型の入口を持ち、多くは2階建ての構造。内部には生前に王が使用していた品、例えば、ペンダントや陶磁器、武器、衣服などが保管される部屋がありました。おもにモイダムは2種類に分かれていて、13〜17世紀までは木材が使用されたものの、18世紀以降は石やレンガが使用。19世紀以降に王国が崩壊するとこの伝統は失われ、現在は遺構として残されています。

とはいえ、ほとんどのメイダムは盗掘され、ほとんどのメイダムの埋葬者は分かっていません。

モイダムス–アホム王朝の墳墓埋葬システムはどんな理由で世界遺産に登録されているの?

モイダムス
画像素材:shutterstock

モイダムスが評価されたのが、以下の点。

登録基準(iii)
登録基準(iv)
インドとミャンマーの国境地帯に広がるパトカイ山脈の麓にあるチャライデオは、アホム王朝の最初の首都で、彼らは王が地上の神であることを信じ、王族はこの地で600年間に渡って埋葬を続けました。そして、この地の景観は生や死にまつわる「あの世」に対するアホム族の信仰を反映しているもの。特にこのエリアはモイダムが集中するエリアで、アホムの王族の埋葬景観を示しているという点。

世界遺産マニアの結論と感想

モイダムは、アホム王朝の王族の墳墓であり、彼らは高地に築かれた古墳に埋葬され、これらはは彼らの信仰を反映したもので、長期に渡って死後の世界を表現した景観が築かれていったという点で評価されています。

ちなみに、アッサム地方といえば、世界最大の紅茶の生産地。アッサムチャのチャノキは、もともとこの地方に存在し、19世紀にイギリス人によって発見されたもの。一方、ダージリンは、中国から持ち運ばれてきたチャノキを改良して栽培したものなのです。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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