登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7), (9), (10) |
登録年 | 2000年 |
パンタナル自然保護地域は、ブラジル西部のボリビアとパラグアイ国境沿いに位置する、世界最大の淡水湿地である「パンタナル湿地」の一部が登録。南米の主要河川であるクイアバ川とパラグアイ川の源流がここにあり、水鳥の生息地であるなど、多様な生態系が見られるが特徴です。
ここでは、パンタナル自然保護地域がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、パンタナル自然保護地域について詳しくなること間違いなし!
パンタナル自然保護地域とは?世界最大の湿原?
「パンタナル」とは、ポルトガル語で「沼地」という意味で、パンタナル湿原は、南アメリカ大陸のほぼ中央に位置する湿原。ブラジル西部マットグロッソ州とマットグロッソ・ド・スル州にまたがり、一部はボリビアとパラグアイにまたがっています。ここは世界最大の淡水湿地で世界遺産としては1878平方kmが登録。
パンタナルは海抜80〜150mの平原地帯で、南米の主要河川であるクイアバ川とパラグアイ川の源流があるほどに豊富な水源。11〜3月の雨季になるとここは氾濫し、地面が洪水状態になり、湖のようになります。そうなると大地に養分が蓄えられ、肥沃になることから植物が密生するようになり、それを求めて淡水魚が生息するようになると、鳥類が多くなるといった食物連鎖が発生するという仕組み。
これにより保護地域には、約80種の哺乳類、約650種の鳥類、約50種の爬虫類、約300種の魚類が見られ、特にサギやカモなどの水鳥の生息地として有名。絶滅危惧種であるスミレコンゴウインコやオオアルマジロ、アメリカバクなど、貴重な動物も多く見られます。
パンタナル自然保護地域はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
パンタナル自然保護地域が評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
湿地では、雨季に氾濫を繰り返すことによって、湖のようになり、多様な動植物を生み出すという点。
登録基準(ix)
雨季になり、湿地の水位が上がると、パンタナルには多種多様な魚類が移動することによって、特に哺乳類が多く集まるような環境であるということ。
登録基準(x)
パンタナルには約80種の哺乳類、約650種の鳥類、約50種の爬虫類、約300種の魚類が生息し、絶滅危惧種だけでなく、貴重なジャガーも見られるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
パンタナルは世界最大限の湿地だけあって、雨季になると氾濫するほどに水が溢れ、それによって湖のようになると、土壌が豊かになり、魚類・鳥類・哺乳類など、絶滅危惧種を含めた多種多様な動植物の保護区ともなるという点で評価。
ちなみに、周囲は野焼きという農地開発のために植物を焼くという行為によって火災が多発しています。これにより、2020年は湿地の1割も失うという火災被害が発生し、深刻な被害を受けています。もちろん、環境破壊としては問題ですが、現地の人々の暮らしも踏まえると難しい問題。そのうち危機遺産にもなるかもしれません…。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。